DXの推進を図るためには、デジタルツールの導入が必要不可欠です。しかし、DXツールにはさまざまな種類があり、どのようなツールを導入すればいいのか判断できないケースもあるでしょう。
そこで今回は、社内DXを推進できるツールを紹介します。DXツールの選び方や注意点も併せて解説します。
目次
業務効率化を図るために活用したいDXツールを紹介します。
電子決裁システムとは、契約関連の書類作成や署名・捺印、社内での回覧、上長の承認、書類の送付などをデジタル化できるシステムです。
X-Point Cloud、Create!Webフロー、Gluegent Flow(グルージェントフロー)など使いやすいサービスが展開されています。
電子決裁システムを利用すれば、スムーズな決済が可能になるほか、進捗状況が可視化されるため、閲覧の確認の手間を省けるといったメリットがあります。
参考:X-point Cloud|シェアNo.1のクラウドワークフローシステム
参考:ワークフローのCreate!Webフロー|インフォテック株式会社
参考:ワークフローの業務プロセスの最適化を追求するクラウド型ワークフローシステムのGluegent Flow.
ワークフローシステムとは、総務や経理での事務処理や申請業務などを効率化するシステムです。
経費や有給休暇、出張報告など、申請や報告の流れが決まっているものは、ワークフローシステムを活用することで申請から承認までの業務を効率的に進められます。
参考:コラボフロー|顧客満足度No.1の誰でも使いやすいワークフローシステム
オンラインミーティングシステムとは、インターネット回線とパソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスを使って会議ができるシステムです。
ZoomやMicrosoft Teams、Google Meetなど、さまざまなオンラインミーティングシステムがあります。
近年、会議や面談、商談をオンラインで行うケースが増加しており、オンラインミーティングシステムを使用する機会は今後も増加する可能性があります。
参考:Microsoft Teams|ビデオ会議、ミーティング、通話
参考:Google Meet|オンラインのビデオ会議とビデオ通話 | Google Workspace
ビジネスチャットとは、社内外の人とチャットでコミュニケーションが取れるツールで、ビジネスシーンでの使用に特化したものです。よく知られているチャットツールには、Chatworkやslackなどがあります。
メールとは違い、リアルタイムで円滑に文字でのコミュニケーションが取れるほか、複数名がグループチャットでやり取りすることも可能です。
また、ファイルの共有が簡単に行えたり、利用者の権限を制限できたりするなど、ビジネスで活用しやすい機能が搭載されており、業務効率化に効果的なツールといえます。
参考:Slack|ニーズに応えるプロダクティビティプラットフォーム
ドキュメント管理ツールとは、社内・部署内で共有すべき文書の保管・編集・管理ができるツールです。有名なものとしては、Google DriveやDropbox、Microsoft OneDriveがあります。
文書の作成から破棄まで管理できるほか、クラウド型の管理ツールを活用することで、容量が大きいデータでも簡単に保存・共有・ダウンロードができるなどのメリットがあります。
参考:仕事に必要なものすべてが1か所に| Google Workspace
参考:効率的な業務に必要なものをすべて 1 か所に集約|Dropbox Business
参考:ビジネスのための OneDrive |クラウド ストレージとファイル共有
プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトのスケジュールや目標、タスク、進捗状況などを管理できるツールです。
業務内容や期限、細かいタスク、各担当者の状況などを可視化でき、リソースの最適化がしやすくなるというメリットがあります。
コメント機能や通知機能が搭載されているツールも多く、管理や情報の共有がしやすいため、プロジェクトをスムーズに進められます。
参考:Backlog|チームで使うプロジェクト管理・タスク管理ツール
参考:どこにいてもチームのプロジェクトを管理 |Trello
帳票電子化システムとは、業務内で発生する見積書や発注書、請求書などの帳票を電子化できるツールです。
社内でフォーマットを統一できるため、金額の入力ミスや、商品ごとに記入が必要な特記事項の記載漏れを事前に防げます。
また、すべてデータで管理できるため、帳票の保管や管理、検索がしやすくなるほか、コストカットも期待できます。
参考:「楽楽明細」-電子請求書発行システム|2年連続シェアNo.1
経費精算システムとは、出張費や交通費、交際費など、経費精算の申請や承認、仕分けなどを効率的に行えるシステムです。
人間が計算・入力作業を行う場合、計算ミスや入力ミスが発生しやすく、収支を合わせるのに時間がかかることがあります。経費精算システムを導入すれば人的ミスを軽減できるため、業務の効率化が可能です。
また、紙ベースでの精算申請・処理が不要になるため、コストを削減できるほか、システムにアクセスできればどこでも精算申請が可能になるため、利便性が向上します。
参考:無料で試せる成長・変革企業の経費精算システム|マネーフォワード クラウド経費
参考:経費精算システム・クラウドソフトのジンジャー(jinjer)経費|アプリにも対応
人事労務システムとは、人事・労務に関連する業務を一元管理できるシステムのことです。
人事や労務の業務として、入退社の手続き、年末申請、給与明細の発行、従業員情報の管理などがありますが、異なるソフトやアプリケーションを使用すると、業務や管理が煩雑になります。
人事労務システムで一括管理することで、業務効率化につながるだけではなく、人事に関するデータを集約して活用することも可能になります。
参考:SmartHR(スマートHR)|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
電子稟議システムとは、稟議申請をデジタル化できるツールです。
上席や役員の確認が必要な業務の稟議申請や承認、決裁、差し戻しがスマートフォンやパソコンで行えます。
承認者が不在でも、スムーズな意思決定が可能となるほか、過去の決裁事項をデータで検索できることから、業務効率化につながります。
参考:サイボウズ Office | 中小企業の“チーム力”を強化するグループウェア
参考:Garoon- 10名から数万名まで使えるグループウェア
RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコンで行う事務作業を自動化できる技術のことです。
日常的に行う入力作業やマウス操作などを記憶して、正確かつ高速で実行するのが特徴です。
データ入力や転記、ファイル複製などの単純作業を自動化できるため、業務効率化に加えて、人でなければできない業務にリソースを割けるといったメリットがあります。
参考:WinActor® | 業務効率を劇的にカイゼンできる純国産RPAツール
次に、営業活動やマーケティングに活用したいDXツールを紹介します。
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報を管理するためのツールです。
顧客の情報や関係性などを一元管理できるツールで、顧客の関係性の維持や向上に活用できます。
以下で紹介するMAやSFAと混同されるケースが多いですが、CRMは自社の顧客のデータベースシステムとして使用されることが多いツールといえます。
参考:kintone(キントーン)|業務アプリがつくれるサイボウズのノーコード・ローコードツール
MA(Marketing Automation)とは、マーケティング活動を自動化するためのツールやプラットフォームです。
メール配信やWebサイト上でのコンテンツ表示など、顧客の興味や関心、状況に合わせたマーケティングが可能なため、より効果的なマーケティングが可能になります。
マーケティング施策を自動化できるため、業務効率化も可能なほか、新規顧客獲得も期待できます。
参考:見込み顧客を増やすマーケティングオートメーションツール「SATORI」
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムを指します。
顧客情報や商談の履歴、内容などを記録・管理でき、これまでの進捗状況を閲覧できます。
営業プロセスを効率化することを目的に使用されるケースが多いほか、見込み顧客へアプローチするうえで、営業活動の最適化をサポートしてくれます。
参考:InfAjast(インフアジャスト)|営業の働き方改革を支援する顧客管理
参考:Knowledge Suite(ナレッジスイート)|SFA / CRMツールとグループウェアが機能連動してひとつに
CMS(Contents Management System)とは、Webサイト上に公開するコンテンツの作成・管理のためのツールです。
プログラミング言語を使うことなく、Webページを作れるのが特徴です。テンプレートを選択すれば、デザインにこだわったWebページも簡単に作成できます。
参考:ブログから大規模サイトまで作れる CMS | WordPress.org
参考:Wix.com|世界で2億5千万人以上が利用する無料ホームページ作成ツール
BI(Business Intelligence)とは、商品開発や販売戦略、経営戦略の意思決定をサポートするツールです。
有益なデータを集め、可視化・ダッシュボード化できるのが特徴で、顧客情報や受発注、サイト上での行動など、さまざまなデータの集約や分析が可能になります。
投入データの加工作業が不要で、データが自動更新されるため、分析にかかる時間や手間の削減を期待できます。
参考:b→dash|業界シェアNo.1 データマーケティングクラウドシステム
さまざまなDXツールの中から、自社で使用するツールを選択するポイントは次のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
DXツールは、解決したい課題に対応可能、かつ自社に見合ったツールを選択しましょう。
オーバースペックのツールの導入は、手持ち無沙汰になる恐れがあるためです。
DXツールにはさまざまな機能が搭載されていますが、機能が多い分、コストもかかりやすくなります。DXツールの導入にはコストがかかり、導入から数年かけて投資対効果を回収しなければなりません。
スペックの多さに惑わされずに、DXツールは自社に合っているかどうかを意識して選びましょう。
データが連携しやすいツールを選択することも大切なポイントです。
DXを進めた時に、ツールごとに保存されているデータを連携させたいというニーズが発生する可能性があるためです。
しかし、データ連携ができなければ、複数ツールの併用が必要になり、業務が煩雑になる場合があります。
導入するツールは、将来の可能性も踏まえて慎重に検討しましょう。
DXツールは、操作性の良さに着目して選ぶのがおすすめです。
DXツールは、どれだけ機能性が高くても使いこなせなければ意味がありません。一方で、すべての従業員のデジタルリテラシーが高いとも限りません。
従業員に積極的にツールを活用してもらうために、操作感を確認しておくことが重要です。多くの人にとって使いやすいツールであれば、導入を前向きに検討しましょう。
DXツールは、サポート体制が充実しているかどうかを必ず確認しましょう。
初期設定やトラブルに対して、企業の担当者だけでは対応が難しい場合、ツールの提供元のサポートが必要になるためです。
DXツールを自社に合わせた仕様にするためには、多少のカスタマイズが必要です。また、トラブルが発生した場合には、できるだけ早く復旧させなければなりません。
提供元のサポート体制が不十分な場合は、ツールが復旧するまでに時間がかかる可能性があります。
DXの導入前に、サポートの範囲や電話での問い合わせの可否など、サポート体制を確認し、安心して利用できるツールを選ぶようにしましょう。
DXツールを導入する際は、スモールスタートに対応できるツールを選ぶのがおすすめです。
DXツールが自社に合うかどうかは、現場で実際に使用してみないとわかりません。はじめからすべての部署でツールを導入して失敗した場合、影響が大きくなる恐れがあります。
初めてDXツールを導入する場合は、まずは1つの部署やチームで導入して、効果があったら他の部署にも展開するといいでしょう。
トライアルや段階的な使用が可能なツールで試しながら、自社に合うかどうか確認してください。
最後にDXツールを選ぶ際の注意点を紹介します。
DXツールの中には、操作に専門的な知識が必要なものがあります。
従業員のデジタルリテラシーにばらつきがある企業では、導入したものの使いこなせない状況に陥るかもしれません。
DXツールは活用できなければ意味がないため、専門知識が必要なツールは避けるのが賢明です。
直感的に操作できるよう設計されたツールを選択するようにしましょう。
DXツールの導入にかかるコストを事前に確認しましょう。
大規模なシステム開発を要する場合は、コストの総額の目安や投資対効果のリサーチを行い、導入の是非を検討する必要があります。
DXツールにかかるコストを抑えたい場合は、クラウドサービスを利用すれば月額利用料以外のコストを削減できるほか、システムの保守も提供元が行うため、利用しやすいでしょう。
DXツールにはさまざまな種類があり、うまく活用すれば社内業務の大幅な効率化が可能になります。人材不足の解消や働き方の改善などにつながる可能性もあるため、積極的に導入を検討しましょう。
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