経済産業省を主体に、多くの企業で推進が進む「DX」。自社でもDXを進めるうえで、具体的な施策の立案に頭を悩ませる担当者の方も多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では日本国内と海外のDX成功事例をご紹介します。
目次
DXとは「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、デジタル技術を使ってビジネスの構造を変革し、新しい価値を創出すること。
経済産業省の資料によれば、以下のように定義されています。
「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」(出典:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」)
近年、IT技術の発展により生まれたSaaSやRPAなどの新しいシステムは、DXの例として挙げられるでしょう。
DXが注目を集める理由は、IT技術の発展により、大きな価値創出の可能性が生まれているからです。上述したSaaSやRPAをはじめ、データやAIを活用した新しい製品やサービスは日夜、登場しており、これらを開発・利用する企業が大きな経済価値を生み出しているということなのです。
また、グローバルなDXのトレンドにキャッチアップできなければ、日本企業全体が競争力を失うリスクもあります。日本企業が抱える既存のITシステムを、新しい技術が利用可能なシステムに転換するには、多大なコストと人手がかかることが予想されます。
そこで、行政を主体にDXへの対応が急がれているのです。
DX推進で企業が抱える最も大きな課題は、人材不足です。
日本国内では現在、既に採用市場におけるIT人材の不足は深刻で、DX推進のための人材を獲得するにはますます大きなコストがかかる状況となっています。
DXの需要増大とともに人材不足は今後も加速していき、経産省の調査によれば2030年には50万人以上の人材不足が生じると推計されているのです。
また、多くの企業で既存のシステムが複雑化・ブラックボックス化しており、改修コストが膨らんでしまうケースも少なくありません。
そこで、各社が採用方法の工夫や、社内人材の育成、早期のシステム刷新などの解決策に取り組んでいます。
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建設機械の販売を行う株式会社クボタでは、販売代理店のサービスエンジニア向けに3DモデルとARを活用した故障診断アプリ「Kubota Diagnostics」を提供し、修理対応業務のDXに成功しました。
このアプリでは、故障した機械をスマホやタブレットのカメラで捉えると、エラーコードや発生症状から、故障箇所を特定する診断フローを提供します。これにより、故障箇所の診断にかかっていた時間を削減し、機械の故障による停止時間を短縮しました。
参考:株式会社クボタ「スマートフォンで建設機械の故障修理を効率化するアプリを開発」
ユニフォームのレンタル・販売を行う株式会社ユニメイトでは、AI画像認識を活用した自動採寸アプリ「AI×R Tailor(エアテイラー)」を開発しました。顧客が自分自身の写真と基本データから、適したサイズを確認できるシステムです。
従来は顧客によるサイズの間違いが多く、交換のための労力や余剰在庫の管理にコストがかかっていましたが、DXによりこれを削減することに成功しました。
「家庭教師のトライ」をはじめとした教育事業を展開するトライグループでは、リモートで授業が受けられる「Try IT」という映像授業サービスを構築。オンライン授業を無料で受けられるプラットフォームを提供しています。
学習の時間や量に応じてモチベーションを高めるフィードバックをしたり、プロの講師に1回500円で質問を送ることができたりと、アプリならではのメリットを最大限に活かせるサービス設計になっています。現在、「Try IT」は会員登録者数100万人超の成功を収めています。
参考:トライグループ「中学生・高校生向け映像事業サービス Try IT」
ソニー損害保険株式会社は、自動車保険における運転者の分析・事故リスクの算出にDXを用いて、課題解決を行った企業です。
AIを活用したスマホアプリ「GOOD DRIVE」を開発し、無料提供。このアプリでは、社内に持ち込んだスマートフォンから運転の傾向を計測し、データを収集・分析します。
また、同社の保険サービスでは運転スコアに応じて、最大30%のキャッシュバックを実施。顧客自身にフィードバックを行い、安全な運転を促すとともに、サービス側も顧客ごとの事故リスクをより正確に把握できるようになったのです。
タクシー事業を展開する日本交通株式会社は、タクシーの需要予測にAIを使ったシステムを導入しました。配車予測システム「AI配車」により、天気、地域、時間や事故などの交通状況を加味したタクシー需要をAIで分析し、活用できるようにしたのです。
このシステムにより、同社はタクシーの稼働率向上を達成しました。
DX推進を支える「JAL イノベーションプラットフォーム」の構築をはじめとし、さまざまなDX推進の取り組みを行う日本航空株式会社。
その一つとして、現役パイロットの訓練評価を効率的に行うシステム「JAL CBCT(Competency Based Check and Training)」を開発しました。
このシステムでは、訓練の際に教官がiPadにインストールしたアプリで、離陸から着陸までのパイロットの行動を評価します。膨大な評価データが蓄積・可視化されることで、評価のばらつきが減り、よりよい訓練を考えるヒントにもなっているとのこと。
さらに、このアプリはローコード開発ツール「Claris FileMaker(クラリス ファイルメーカー)」で作られているため、専門知識のないパイロットでも、自分たちの手でアップデートを加えて改善することができます。
データを活用しながら、プラットフォームの質もコストも改善できたDXの成功例といえるのではないでしょうか。
参考:日本航空株式会社プレスリリース(2021年06月08日第21019号)
今や知らない人はいないほど有名なAmazon社は、ECサイトを提供するグローバル企業です。
同社では、膨大な数の顧客データを活かし、AIによるユーザー購入履歴の分析システムを構築しました。これにより、ユーザーの需要を予測して適正在庫を維持し、コストカットや在庫切れ防止によるサービス向上に成功しています。
シューズメーカーのNike社は、足のスキャニングデータから自分に合ったサイズを提案してくれるサービス「Nike Fit」を開発しました。(2019年よりアメリカにて利用開始。日本でのサービス展開は未定)
画像認識、機械学習などを独自に組み合わせた技術により、スマホのカメラで足を撮影すると、数秒でユーザーの両足の形状をマッピングし、自動でサイズを認識します。測定したサイズデータは店舗やオンラインで靴を選ぶ際に使用できるとのこと。
ここで収集したデータは、ユーザーの満足度を上げるだけでなく、さらなる新商品開発の材料としても活用されています。
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デジタル技術やそれを活用したサービスにも、日々新しいものが生まれています。最新の事例を学ぶことで、自社に最適な施策を目指していきましょう。