ChatGPT活用の前に!情報漏洩を防ぐ生成AIセキュリティチェック15項目

公開日:2025.08.15 更新日:2025.08.15

ChatGPTなどの生成AIは、業務効率化の有力なツールですが、その導入には情報漏洩や法令違反といったリスクへの対処が不可欠です。

中小企業にとっては一度のトラブルが信用や事業継続に直結するため、「便利そうだから」「なんとなく」で使い始めるのは危険です。

このチェックリストは、従業員10〜100名規模の中小企業でも気をつけるべきポイントを含んでいます。生成AIを社内で活用する前・活用中に見直してほしい15の安全確認項目を、分かりやすく整理したものです。導入判断・社内教育・運用改善の参考にご活用ください。

目次

情報漏洩を防ぐためのチェックポイント(5項目)

□ 生成AIに入力してはいけない情報を明文化している

顧客情報、契約内容、財務情報など、生成AIに入力すべきでないデータを具体的に定め、全社員に周知していますか?

□ 無料版生成AIではなく、法人向け生成AIを利用している

ChatGPT EnterpriseやMicrosoft Copilotなど、データが学習に使われないプランを採用していますか?

□ 生成AIに入力する前に、情報の確認・加工を行っている

個人情報や機密データが含まれていないかチェックし、匿名化・仮名化などの加工をしていますか?ります。

□ 生成AIの出力内容をそのまま使わず、人が必ず確認している

誤情報や権利侵害を防ぐために、生成された内容を目視でチェックするプロセスがありますか?

□ 社員に対して生成AI利用時の注意点を教育している

「どこまで入力してよいか」「使ってはいけない使い方」などを定期的に伝え、リテラシーを高めていますか?

権限管理・利用監査のチェックポイント(5項目)

□ 生成AIを使える人・部署を限定している

誰でも自由に使える状態ではなく、部署や役職に応じて利用権限を制限していますか?

□ 異動・退職時にアカウントやアクセス権限を見直している

過去のアカウントが放置されていないよう、適切なタイミングで権限管理を更新していますか?

□ 生成AIの利用ログを記録・定期確認している

誰がいつ何を使ったかが分かるログを取得・監査できる環境を整えていますか?

□ 社内で使っていい生成AIツールを指定し、他は使用禁止にしている

利用可能な生成AIツールをあらかじめ決め、無許可のツール使用を防止していますか?

□ トラブル発生時の初動マニュアルを整備している

漏洩や誤操作が発生したときの通報、調査、報告、再発防止などの手順が用意されていますか?

コンプライアンス(法令・契約順守)のチェックポイント(5項目)

□ 個人情報は生成AIに入力しない運用になっている

氏名、住所、メールアドレス、社員番号など、個人を特定できる情報は入力禁止としていますか?

□ 個人情報を入力する際は、事前に本人の同意を得ている

必要に応じて、書面や同意書を通じて法的に正しいプロセスを踏んでいますか?

□ 取引先から預かったデータを生成AIに使っていない

守秘義務があるデータを入力しないよう、契約内容と照らして確認できる体制がありますか?

□ 生成AIの出力内容を社外で使う際、知的財産の確認をしている

生成物に他社の著作物やコードが含まれていないか、適切なチェックを行っていますか?

□ 社内ポリシー(利用ルール)を文書化・周知している

AIの利用目的、禁止事項、ルール違反時の対応などを明文化し、社員に徹底していますか?

安心して使い続けるための文化づくり(補足)

□ 「生成AIは正しいとは限らない」という意識が社内にある

生成AIの出力をうのみにせず、常に人の目と判断を挟む文化が育っていますか?

 新しい生成AIツール導入時に事前申請・承認の仕組みがある

新規ツール導入時は、情シスや法務などの事前確認を通して、安全性を確保できるようにしていますか?

おわりに

生成AIは、文章作成や情報整理、顧客対応など、これまで人の手で行っていた業務を効率化し、中小企業の生産性を大きく高める可能性を秘めた革新的な技術です。
実際、うまく活用すれば、限られた人員でも高いアウトプットを出せるようになり、人手不足や属人化といった課題の解決にもつながります。


しかしその一方で、情報漏洩や法令違反、誤情報の拡散といった“見えにくいリスク”も伴うのが生成AIの現実です。

だからこそ、生成AIの活用においては「攻め」と「守り」を両立させる視点が必要です。
便利な技術を「安心して使いこなすためのルールや環境づくり」こそが、持続的な活用の鍵となります。


本記事のチェックリストは、生成AI活用におけるリスク管理や運用上の見直しポイントを整理する際の参考資料として、ご活用いただける内容にしております。より安全で現実的な生成AIの導入・運用体制づくりの一助となれば幸いです。

バイブスアップでは、生成AIツールの利活用やセキュリティ対策ツールの導入に関して利用可能な補助金、助成金のご相談を承っています。お気軽にご相談ください。

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