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「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、人手不足や働き方改革への対応、生産性向上と賃上げの実現を後押しする、新たな補助金制度です。2025年に本格始動したばかりのこの制度では、IoT機器やロボット、業務管理システムなど、省力化を目的とした設備投資に対して、最大1億円の補助を受けることができます。
「一般型」の制度概要から補助対象、申請方法、採択のポイントまで、制度を活用したい事業者にとって実務に役立つ情報をわかりやすく整理しています。
中小企業省力化投資補助金は、既存業務の自動化・効率化を支援することで、人手不足や賃金上昇圧力といった経営課題を解決することを目的としています。補助対象は、生産ラインの自動化、省力化ロボットの導入、デジタル業務管理システムの構築など、現場課題に即した取り組み全般です。
「カタログ型」と異なり、「一般型」では企業ごとのニーズに応じたオーダーメイドの設備・システム導入が可能です。令和6年度補正予算では約3,000億円という大型予算が投じられており、全国の中小企業から高い関心を集めています。
応募できるのは中小企業基本法に定められた中小企業・小規模事業者で、会社形態や業種は問いません。NPO法人や社会福祉法人なども対象になりますが、「みなし大企業」や過去に「ものづくり補助金」「再構築補助金」などを複数回受給している企業は除外されます。
補助対象となる経費は以下の通りです:
⚫︎機械装置・システム構築費(必須)
⚫︎技術導入費(研修など)
⚫︎専門家謝金・外注費・クラウド利用料
⚫︎運搬費・知財関連費用など
土地建物や消耗品、一部人件費などは対象外なので、公募要領をよく確認しましょう。
補助上限額は従業員規模によって変動し、最大8,000万円(大幅賃上げ実施で1億円)まで支援されます。補助率は原則1/2ですが、小規模事業者や最低賃金近傍の従業員が多い企業は2/3が適用されるケースもあります。
また、申請には以下の目標達成が必須です:
⚫︎労働生産性:年平均4%以上向上
⚫︎給与支給総額:年平均2%以上増加 or 最低賃金+30円以上を達成
⚫︎事業場内最低賃金:地域最低賃金+30円以上を維持
これら賃上げ要件は補助金交付後も5年間の遵守が求められます。
第1回・第2回の公募では採択率60〜70%台と、他の補助金より高い水準を維持しています。特に製造業や建設業での採択事例が多く、以下のような事例が挙げられます。
⚫︎溶接ロボットの導入で職人作業を自動化
⚫︎三次元測定機の導入で検査工程を無人化
⚫︎ICT施工管理システムで建設現場の管理効率化
いずれも、「人手不足の解消」と「生産性の向上」が明確で、投資の効果が数字で示されている点が評価されています。
申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要です。取得には1~2週間かかるため、早めの取得が推奨されます。
申請の主な流れは以下の通りです:
1.自社課題の整理と計画立案
2.必要書類の準備(履歴事項全部証明書、決算書、従業員数証明など)
3.事業計画書(省力化効果・数値目標を明記)
4.電子申請による応募(締切に要注意)
5.審査(書面・場合によりヒアリング)
6.採択後、交付申請→交付決定
7.設備導入・実績報告→補助金交付
実績報告後も、最低賃金達成状況などの報告義務が5年間継続します。補助金の返還リスクを避けるためにも、事業計画と体制構築は入念に行いましょう。
この補助金の活用メリットは以下の5点に集約されます:
⚫︎高額な設備投資に対する国の資金支援(最大1億円)
⚫︎人手不足の抜本解消とリードタイム短縮
⚫︎社員の負担軽減・賃上げによるモチベーション向上
⚫︎DX推進・業務改革の契機
⚫︎採択による信用向上と発信力の強化
単なる設備導入ではなく、企業の構造的な業務改善を支援する経営戦略の一環として活用することが重要です。
補助金名 | 主な目的 | 補助率 | 上限額 | 備考 |
---|---|---|---|---|
省力化投資補助金 | 業務の省人化・効率化 | 1/2または2/3 | 最大1億円 | 賃上げ要件あり |
ものづくり補助金 | 新製品・新サービス開発 | 1/2(小規模等は2/3の場合あり) | *上限額は公募枠・類型で変動 | 「攻め」の投資向け |
IT導入補助金 | ITツール導入 | 1/2〜4/5 | 最大450万円程度 | 登録ITツールから選定 |
重複受給は不可ですが、異なる事業での使い分けは可能です。ただし、申請タイミングや過去の交付実績との関係で制限される場合もあるため、制度要項や事務局への事前確認が推奨されます。
中小企業省力化投資補助金〈一般型〉は、人手不足や業務の非効率に悩む中小企業にとって、構造改革の第一歩を踏み出すための強力な支援制度です。
採択率も高く、活用メリットも明確です。一方で、申請手続きは複雑であり、賃上げや業績向上のコミットメントが求められる制度でもあります。
ぜひ本記事を参考に、自社の課題解決と成長の足掛かりとして、本補助金の活用を戦略的に検討してみてください。
省力化投資補助金の申請を検討するなかで、
「どの設備が補助対象になるのか分からない」
「省人化の効果をどう数値化すればよいか悩んでいる」
「採択後の進行管理や報告業務が不安」
といったお悩みを抱える事業者の方も少なくありません。
株式会社VibesUp(バイブスアップ)では、製造業・物流業・サービス業など多様な業種において、省力化投資補助金の申請支援実績を多数有しています。申請書の作成サポートはもちろん、課題整理から設備選定、導入効果の数値化、採択後の実績報告や賃上げフォローまで、経験豊富なコンサルタントがワンストップで支援いたします。
単なる申請代行ではなく、「人手不足の根本解決」や「労働生産性の向上」といった本質的な経営課題に向き合うDX戦略をご提案できるのが当社の強みです。補助金をきっかけに、現場の業務改革を実現したいとお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。