管理職の能力要件は?あるべき姿や求められるスキル、育成研修サービス3選

公開日:2024.01.04 更新日:2024.01.04

管理職は、業務や部下の管理をすることが主な役割です。一般の従業員とは役割が違うため、求められる能力要件も異なってきます。この記事では、管理職に求められる能力がどのようなものなのか解説し、管理職を育成するためのポイントや人材育成に活用できる外部サービスなどについても取り上げていきます。ぜひ、参考にご覧ください。

企業における管理職の役割

管理職の主な役割の1つが、業務や部下の管理をすることです。

企業によって肩書きや役割、裁量は異なりますが、部署やチームのリーダーとして業務・部下の管理、指導を行うことが主な役割である点は共通しています。業務の進捗状況の把握・管理や、予算管理、人材育成や労働時間の管理なども管理職の役割です。たとえば残業が目立つ社員がいた場合、他のメンバーに業務を割り振るなどして負担を軽減できるようにします。

部署やチーム全体に目を行き届かせなければならないため、管理職の役割は非常に広範囲に渡るといえるでしょう。

管理職の理想像、あるべき姿とは

ここでは、管理職の理想像やあるべき姿はどのようなものなのか解説します。会社によっても異なりますが、1つの例として参考にしてみてください。

モチベーションが高い

仕事に対するモチベーションが高く、常に前向きに仕事に取り組む管理職は、部下のやる気を刺激するなど、良い影響を与えることができます。部下は、管理職の仕事ぶりや仕事に対する姿勢をよく見ているため、管理職のモチベーションが低いとチーム全体の士気が低下し、パフォーマンスも悪くなる恐れがあります。このような事態を回避するためにも、管理職自身がモチベーションを高く保ちながら仕事に取り組むことが大切です。

チームに風通しの良い環境を作る

管理職は、部署やチームの雰囲気作りにおいて非常に重要な役割を果たします。管理職から積極的にコミュニケーションをとる、部下から話しかけやすい雰囲気を作るといったことは、仕事をするうえで非常に重要なポイントです。

一方で、管理職が大きなため息をついたり、愚痴をこぼしたりする姿を部下が目にすると、プレッシャーに感じることもあるでしょう。そのようなケースではコミュニケーションも取りにくくなるため、問題や課題の報告が遅くなるほか、悩みがあっても相談しにくくなってしまいます。

管理職が良い雰囲気や環境を作ることで、チームの風通しが良くなり、仕事の成果や生産性向上にも繋がっていきます。

経営層と部下をつなぐ

管理職は、経営層と一般の従業員の間に立つ役職です。現場の従業員からの改善策の提案を経営サイドに伝えたり、逆に経営層の考えや方針を現場に共有したりするなど、両者の橋渡しとなる役割が求められます。

管理職の能力要件(求められる能力)は?

業務や部下を管理し、経営層と従業員をつなぐなど、幅広い役割を担う管理職は、求められる能力も多岐に渡ります。ここでは具体的にどのような能力要件が求められるのか解説します。

ものごとを理解する力

管理職は、企業の方針や戦略、取引先の意図や目的、部署・チームの目標などを部下に伝え、日々の行動に反映させなければなりません。そのためには、管理職自身がそれらの方針や戦略、意図などを正しく理解していなければなりません。

たとえば、経営層が新たな方針を発表した場合、それをそのまま部下に流すのではなく、自分の中で咀嚼したうえで、部下にわかりやすく伝える必要があります。管理職は直接自分が手がける仕事は少ないかもしれませんが、部下よりも多くの仕事やプロジェクトに関わるため、あらゆるものやことに対する理解力が求められます。

コミュニケーション能力

業務をスムーズに進め目標を達成するためには、部下と綿密なコミュニケーションをとり、うまく動いてもらわなければならないでしょう。また、取引先から受け入れられない要望があった場合など、自らが直接取引先と対話し、先方に納得してもらわなければいけないケースもあります。

ここで注意すべきなのは、コミュニケーション能力とは、自分が伝えたいことを一方的に伝えるものではないという点です。コミュニケーションは相手がいて成り立つものであるため、自分の意見を伝えつつも、相手の話に耳を傾ける姿勢も必要となります。

マネジメント能力

管理職は、チームのマネジメントを担います。たとえば、新規プロジェクトの担当者を決める場合、部下のスキルやこれまでの業務経験、得手・不得手、キャリアの志向などを踏まえたうえで、適任者を選ばなければなりません。また、業務量に偏りが出ないように、業務の割り振りにも注意する必要があります。自分たちのリソースを把握したうえで最大限のパフォーマンスが発揮されるように考えるマネジメント能力が求められます。

管理職としてのスキルを高めるには?

ここでは、自身が新たに管理職になった人やこれから管理職になる人に向けて、管理職としてのスキルを高めるためにはどうすれば良いのかを解説します。

リーダーとしての自覚を持つ

管理職が、自分はリーダーであるという自覚を持つことは、管理職として成長するためには欠かせません。管理職は一般の従業員とは求められる能力要件や仕事の役割が異なるため、ほかの従業員と同じマインドで仕事に取り組んでいては管理職としての機能を果たせません。「自分は部下をまとめる立場である」「自分の取り組みや振る舞い次第で部下は良くも悪くもなる」と認識することが大切です。このような自覚を持つために、会社側が管理職研修を実施したり、外部の研修に参加する機会を作ったりすることも効果的でしょう。

話を聞くことに努める

管理職は、部下に対して指示を伝えるだけでなく、部下からの話に耳を傾けることも大切です。一方的なコミュニケーションでは相互理解は難しく、業務における目標達成が危ぶまれる可能性もあります。また、そのような姿勢の上司では、部下から倦厭されるかもしれません。部下との関係構築はスムーズに業務を進めるうえで欠かせないものです。部下が何を考えているのか、業務に関する課題や悩みはないのかなど、話を聞くことに努める姿勢を持ちましょう。

企業が管理職を育成する際のポイント

ここでは、企業側が管理職を育てるにあたって気をつけるべきポイントを解説します。

研修体制の構築

管理職になる従業員に向けた研修の提供は非常に大切です。管理職になることで、それまでとは求められる能力要件や仕事の役割が変わるため、変化にうまく対応できない可能性があります。研修を活用し、管理職とはどのようなものなのか、これまでと何が違うのかといったことを伝える必要があるでしょう。

必要とするスキルや役割を明確にする

管理職に対してどのようなスキルや役割を求めているのか、能力要件を明確にすることも管理職を育てるうえでは重要です。それぞれの企業によって管理職に求めるスキルや役割は異なり、管理職本人と会社が考える役割に齟齬が生まれる可能性もあります。能力要件を言語化し明確にしておくことが必要となります。

上司が育成に関わる

管理職となる人材の上司が育成に関わることで、成長の促進が期待できます。上司は、管理職となる人材の性格やスキル、それまでの経歴などを理解しているため、適切なアドバイスを送ることができます。また、管理職自身も自分の身近な上司が指導に関わってくれれば安心感が得られ、人材育成をスムーズに進められるでしょう。

管理職育成研修サービス3選

管理職に対する研修は自社で行うこともできますが、外部のサービスを利用する方法もあります。ここでは管理職育成に活用できる研修サービスを紹介します。

管理職研修・マネジメント研修|リクルートマネジメントスクール

リクルートマネジメントスクールは、人材育成に長年携わってきたリクルートマネジメントソリューションズが提供する研修プログラムサービスです。

さまざまな層を対象とした研修を実施しており、管理職研修・マネジメント研修も提供しています。具体的には、新任管理職がマネジメントの基礎を学べるコースや部下の育成について学べるコースなど、現場で直面する課題に応じたテーマとなっています。マネジメントや管理職としての経験、知識を持った講師が指導を行うため、管理職としての悩みを相談することもできるでしょう。

参照元:管理職研修・マネジメント研修|リクルートマネジメントスクール

 GLOBIS(グロービス)

GLOBIS(グロービス)は、人材育成サービスや社員研修サービスを提供する企業です。

同社では、管理職研修・管理職育成サービスを提供しており、企業内集合研修という形で受講することも可能です。多くの管理職に共通する課題や悩みなどを解決するために体系化されたプログラムのほか、個別の課題に対してオーダーメイドで設計したプログラムも提供しているため、ニーズに応じた研修が行えるでしょう。また、管理職としてどういったスキル、マインドを持てばいいのかなど、基本的な部分を学ぶことも可能です。研修当日だけでなく、事前予習、振り返りまでしっかりと行い、学習内容の定着を図ります。

参考:管理職研修・育成サービス概要|GLOBIS

参考:企業内研修ならグロービス

株式会社インソース

株式会社インソースは、「研修」と「IT」を活用することで、企業の課題解決のサポートに取り組む企業です。

昇任・昇格時研修やリーダーシップ研修、マネジメント研修など、管理職に関連する研修だけでも、さまざまな種類があるため、一人ひとりの課題に応じた研修を受講できるでしょう。たとえば、昇任・昇格時研修では、管理職となったタイミングで意識を転換することを大切にしています。なんとなく管理職になり、なんとなく業務に取り組むのではなく、管理職としての新しい役割に真摯に向き合えるような意識を持つことで、さらなる活躍につなげられるでしょう。また、マネジメント研修では、マネジメントにおけるポイントと留意点を学べるほか、リーダーシップ研修では、リーダー像を作り上げ、リーダーとして求められる実務スキルの習得を目指します。

参考:昇任・昇格時研修(新人管理職研修シリーズ)|インソース

参考:リーダーシップ研修|実務で必要な9つの力とは?|インソース

参考:マネジメント研修|インソース

まとめ

今回は、管理職の役割や求められる能力要件などについて解説しました。管理職は、業務や部下の管理をすることが主な役割です。ものごとへの正しい理解、一方的に話をするだけでなく相手の意見にも耳を傾けられるコミュニケーション能力、一人ひとりの状況やスキル・適性などを踏まえたうえでのマネジメントなど、幅広い能力が求められます。管理職の育成にあたっては、自社研修のほか、外部サービスの活用も効果的です。


リスキリングナビでは、本記事の他にも管理職育成やリーダー育成についてのさまざまなコラムを掲載しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

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