管理職の役割とは?求められるスキル・なってはいけない人の特徴を解説

公開日:2023.09.22 更新日:2023.11.29

一般的に課長以上が管理職に該当します。管理職は一般社員を管理する立場にあり、チームのパフォーマンスに大きな影響を与えます。管理職は一般社員とどのような違いがあり、どういった役割を担うのでしょうか。今回は管理職に求められるスキルや管理職になってはいけない人の特徴についてご紹介します。

管理職とは

管理職とは、企業などで管理または監督を行う職種、またはそのような任務に携わる人を指します。企業にもよりますが、一般的には課長以上が管理職とされます。

令和2年国勢調査の就業状態等基本集計結果によると、管理職(管理的職業従事者)の割合は2015年(平成27年)が2.5%、2020年(令和2年)が2.1%と近年はやや減少しています。

「令和2年国勢調査 就業状態等基本集計結果」(総務省統計局)を加工して作成

一般社員との違い

一般社員は個人レベルでの成果が評価の対象となりますが、管理職はチーム全体での成果が評価の対象となります。ただし、管理職でも管理業務に専念する場合と、管理業務の他に一般社員と同様の業務を抱える「プレーイングマネジャー」を務める場合の両方のケースがあります。プレーイングマネジャーの場合は自身の成果とチームの成果の両方を求められます。

役員との違い

取締役、執行役、監査役等の会社法上の役員は、企業と委任契約を結び、雇用契約を結んでいないため、従業員に該当しません。一方、管理職は企業と雇用契約を結んでおり、従業員になります。

管理職の責任

先ほども述べたように、一般社員は個人レベルでのパフォーマンス、管理職はチーム全体のパフォーマンスが求められるため、一般社員と比較して責任の範囲も広くなります。しかし、管理職は従業員である立場上、役員のように会社や株主以外の第三者に対して損賠賠償責任を負うことはありません。

管理職のあるべき姿

管理職のあるべき姿はその時代や地域などによっても異なります。一昔前に見られた、メンバーを叱咤激励して高い目標を達成しようとする強烈なリーダーシップよりも、メンバーが自ら学び、自律的に動くような環境づくりが管理職に期待されています。先の見えないVUCA時代の中で、管理職一人ひとりが自分のあるべき姿を模索する必要があるでしょう。

管理職の役割

管理職の主な役割として、「業務の管理」「部下の採用」「部下の管理・育成」「経営方針や経営層のメッセージの伝達」の4つが挙げられます。

業務の管理

それぞれの業務で何らかの目標が設定されているでしょう。業務に設定した目標が達成されているかどうか、達成されていない場合はその理由を探り、改善を図ることが管理職の役割の1つです。管理職は業務の役割分担や進捗管理も行います。

部下の採用

業務遂行に必要な人数が不足している、あるいはこれから業務規模の拡大を予定している場合、採用活動を行う必要があります。管理職は、「任せたい業務の遂行に求められるスキルを備えているか」「自社やチームの雰囲気になじめるか」「会社の待遇と本人の希望がマッチしているか」などを確かめます。双方に意識のずれが生じてしまうと早期離職につながるため、注意が必要です。

部下の管理・育成

管理職は、部下が能力を発揮できるようにサポートします。残業の多い社員がいる場合は、残業が発生する理由や残業を削減する方法を一緒に考える必要があるでしょう。部下と相談する機会を定期的に設け、キャリアの方向性を話し合うことも、管理職の重要な役割です。

経営方針や経営層のメッセージの伝達

不確実性の高い時代の中で、社員は「自分の仕事が明日も存在するのか」「今のような業務を続けて大丈夫なのか」といった不安を抱えながら働いています。管理職の役割は、そのような社員に経営方針や経営層のメッセージを正しく伝え、どうすれば会社に貢献できるかを社員一人ひとりに考えてもらうようにすることです。

管理職の役割を果たすために求められるスキル

管理職に求められる主なスキルはリーダーシップ、コミュニケーション力、テクニカルスキルの3つです。以下でそれぞれについて説明します。

リーダーシップ

管理職はチームのリーダーとしてメンバーを目的に向かって導かなくてはいけません。リーダーの方針に素直に従ってくれるメンバーもいれば、方針に懐疑的なメンバーや批判的なメンバーもいるでしょう。近年は職場のダイバーシティ化が進み、子育てをしながら時短で働く社員、外国人社員、高齢社員など、働き方や働く人の特徴もさまざまです。管理職はこれらのメンバーを束ね、チームの成果を最大化することが求められます。

コミュニケーション力

管理職は社内外の人とコミュニケーションを図る機会が多く、高いコミュニケーション力が必要です。部下のモチベーションアップのためには、部下とのコミュニケーションが欠かせません。部下の性格や人柄、抱えている問題について理解し、必要に応じてアドバイスをする・相談に乗ることも管理職の重要な仕事の一つです。

テクニカルスキル

テクニカルスキルは日本語で業務遂行能力と呼ばれ、管理職も一定のテクニカルスキルが要求されます。基本的なPCスキルから業務に特化した専門スキルなどがテクニカルスキルに該当します。ただし、上級の管理職になるほど、高いテクニカルスキルは求められません。現場の第一線を離れた管理職よりも、現場の第一線で働くメンバーのほうが専門スキルを持っています。管理職の仕事は現場のメンバーの話を正しく理解し、的確な指示を与えることです。

管理職になってはいけない人の特徴

管理職に求められるスキルを紹介しましたが、スキルを備えているだけでは管理職としては不十分です。管理職になってはいけない人の特徴を以下で紹介します。

会社への帰属意識が低い

会社への帰属意識、いわゆる「エンゲージメント(Engagement)」の低い人は管理職にふさわしくありません。エンゲージメントは業務へのモチベーションや生産性に大きく影響します。エンゲージメントの低い人が管理職になれば、部下のエンゲージメントも低くなり、チームの士気も低下します。「企業の方向性を理解していない」「会社の一員としての意識に欠ける」といった人は管理職に向いていません。

自分の都合を優先する

管理職はチームの先頭に立ち、引っ張っていく必要があります。自分の都合を部下に押し付け、「部下の言い分に全く耳を傾けない」「部下の頑張りを正当に評価しない」という管理職は、チームメンバーから信頼を得られません。部下の手柄を横取りして、あたかも自分ひとりの成果のようにアピールするといった、承認意欲の高い人も管理職になってはいけません。

部下の教育に関心を持たない

優秀なプレーヤーであり、素晴らしい業績を上げているものの、他の人に教えることが苦手という人もいます。こういった方は管理職に向きません。管理職は自分で仕事を抱え込まず、部下でもできる仕事は積極的に部下に権限移譲していくべきです。部下も新しい仕事を覚えて主体的に進められるようになれば自信につながります。

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まとめ

今回は管理職の役割や求められるスキルについてご紹介しました。管理職はリーダーシップ、コミュニケーションスキル、テクニカルスキルが必要とされ、エンゲージメントの低い人、自分の都合優先の人、教育に無関心の人には不向きです。自分のことだけではなく、チーム全体に目を向け、会社に貢献できる人材が管理職にふさわしいと言えるでしょう。

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