LMS(学習管理システム)にはさまざまな種類があるため、どのサービスを選べばよいか悩む人も多いはず。ここでは、LMSの種類や機能、サービスを選ぶときにチェックすべきポイントなどを紹介します。
目次
LMSには、使用するサーバーの違いによって「クラウド型」「オンプレミス型」の2種類があります。また、機能面の特徴によっても大きく「特化型」「統合型」の2つに分けられます。
クラウド型とオンプレミス型の違いは、システムが構築されているサーバーのタイプです。クラウド型はシステムベンダーが用意した共有サーバーに構築されていて、ユーザーはインターネットを経由してシステムに接続します。一方、オンプレミス型はユーザー企業のネットワーク内にある専用サーバーにシステムが構築されます。
クラウド型はユーザーが専用システムを構築する必要がないため、安価・短期間で導入可能です。また、インターネットに接続できる環境があれば、いつでもどこでもアクセスできます。しかし、クラウド型はパッケージ化されたシステムであるため、機能のカスタマイズ性は高くありません。
オンプレミス型は、自社の専用サーバー上にシステムを1から構築するため導入費用が高く時間もかかりますが、要件に合わせて機能を自由にカスタマイズできます。また、他社とサーバーを共有しないので、アクセス集中によるサーバーダウンのリスクを抑えられる、自社独自の厳格なセキュリティ基準を満たしたシステムを構築できる、といったメリットもあります。
特化型と統合型の違いは、システムに付いている機能・コンテンツの幅広さです。特化型は「言語学習のみに対応」「eラーニング専用」など、特定の目的・機能に合わせたシンプルな仕様になっています。そのため、統合型に比べてサーバーやネット通信を圧迫しにくく、コストも低く抑えることが可能です。また、機能が厳選されているためUI・UXの面でも使いやすいというメリットもあります。
統合型は、「教材作成・配信」「学習管理」「テスト・アンケート」などの幅広い機能を備えており、汎用性が高い仕様になっています。機能が充実している分システムが複雑であるため、慣れるまでに時間を要する場合もありますが、統合型のシステムが一つあれば複数の学習システムを導入する必要がなくなり、学習管理業務の効率化につながります。
多くのLMSには「教材作成・配信機能」「学習コース設定機能」「学習管理機能」「テスト・アンケート機能」などがついています。
教材作成機能とは、システム上で自社オリジナルの学習教材を作成できる機能です。たとえば、動画素材をシステム内で編集してeラーニング教材として配信できるLMSもあります。
教材配信機能とは、システムに組み込まれたコンテンツやアップロードした自社教材などを学習者に一斉に配信できる機能です。教材の内容をいつでも修正・更新できるため、教材の内容を常に最新の状態を保つことができます。LMSの中には、システム上でオンラインライブ研修を配信できるものもあります。
学習コース設定機能とは、学習者に合わせて複数の研修コースを作成・管理できる機能です。たとえば、「新入社員研修コース」「管理職育成コース」など学習者の社歴・ポジションでコースを分けたり、「マーケティングコース」「ハラスメント防止研修コース」など学習テーマでコースを設定したりできます。従業員一人ひとりの能力やキャリアプランに合わせた学習支援ができるため、効率的な人材育成を実現できます。
学習管理機能とは、学習者の受講履歴や進捗、成績などをリアルタイムで確認できる機能です。学習者が何をどれくらい学んだかがひと目でわかるため、従業員一人ひとりの学習の進捗状況に合わせた業務割り当てを考えやすくなったり、適正な人事評価につなげやすくなったりします。
テスト・アンケート機能とは、コース受講後のテストや、学習プログラムの感想を尋ねるアンケートなどを実施できる機能です。テストやアンケートの結果は、学習者の理解度を把握できるだけでなく、教材の内容を修正したりコースを追加したりと学習設計の改善に役立てることもできます。
LMSを選ぶときは、「機能」「操作性」「対応デバイス・環境」「料金プラン」の4つのポイントに注目してシステムを比較検討しましょう。
多くのLMSには「教材作成・配信機能」「学習コース設定機能」「学習管理機能」「テスト・アンケート機能」などの機能がついていますが、「システム上で動画教材を編集できる」「学習者が質問を投稿できる」など細かな機能は各LMSによって異なります。そのため、どのような機能があればよいか、LMSの導入目的と照らし合わせながら社内で精査する必要があるでしょう。
UI・UXの観点から自社の従業員が使いやすいようなシステム設計になっているかどうかも、LMS選定のポイントの一つです。LMSには、デジタルツールに慣れてない人でも直感的に操作できるシンプルな仕様のものもあれば、多機能である代わりに一定レベルのITリテラシーを要する複雑な設計になっているものもあります。サービス選定の段階でデモ版を利用して操作性を確かめたり、システムベンダーが公開している使用画面イメージを確認したりするとよいでしょう。
LMSを選定するときは、対応しているデバイスの種類やブラウザ環境などもチェックすべき重要なポイントです。パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンからでもアクセスできれば、取引先間の移動中や出張先など、従業員がタイミングや場所を選ばず自由に学習を進めやすくなります。また、クラウド型LMSを検討する場合は、普段利用しているブラウザの動作保証がされているとスムーズに運用を開始できます。
LMSは、登録するライセンス数や利用できる機能の幅によって料金プランを分けているものが多いため、自社の従業員数や求める機能に合った価格プランがあるかどうかも、選定のポイントです。たとえば、従業員数が大きい企業は、1ライセンスごとではなく100ライセンス単位で料金設定されているなど、ユーザー数に幅があるLMSのほうが適しています。
LMS(学習管理システム)にはクラウド型とオンプレミス型、特化型と統合型といった種類があり、教材作成・配信機能、学習コース設定機能、学習管理機能、テスト・アンケート機能などがついているケースが多いです。LMSを選ぶときは、機能や操作性、対応デバイス、料金プランなどの観点から自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
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