学習管理システムとは?導入するメリットからおすすめシステムまで紹介

公開日:2023.10.13 更新日:2023.10.27

学習管理システムとは、eラーニングを行う際のベースとなるシステムのことです。この記事では、学習管理システムの概要や重要性、主な機能や導入する際に押さえておきたいポイントなどを紹介しています。また、おすすめの学習管理システムも取り上げているため、企業の人事担当者やDX推進担当者など、社員教育やリスキリングに取り組む方はぜひ参考にしてください。

学習管理システムとは

学習管理システムとは、パソコンやスマートフォンを使ってeラーニングを行う際のベースになるシステムのことです。LMS(Learning Management System)と呼ばれることもある学習管理システムでは、eラーニング用の学習教材の提供だけでなく、受講者の管理や成績の管理などを行うことができます。「学習管理システム」という名称から主に勉強をする人が利用するものと思うかもしれませんが、それよりもむしろ勉強するための環境を提供するシステムだといえます。

学習管理システムの重要性

学習管理システムは、受講生や教材を適切に管理し、学習効果を高められるようにするためにも重要なものです。
eラーニングでは、オンライン上で教材を使用することとなるため、無断使用のリスクがあるほか、受講者はそれぞれのタイミングで受講するため、徹底した履修管理を行わなければ手を抜いたりサボったりする人が出てくる恐れがあります。また、対象となる受講生によって必要な教材は異なるため、それぞれに適したものをスムーズに提供することも大切です。
学習管理システムは、これらの課題を解消してくれるシステムとなっています。受講生の履修や教材を適切に管理することで、より効果的なeラーニングの実施が可能となるでしょう。

学習管理システムの一般的な機能

学習管理システムの機能は提供する各社によって異なりますが、一般的には以下の4つの機能を備えています。

  • 受講者機能
  • 管理機能
  • 指導機能
  • 教材管理機能

受講者機能は、主に受講者が利用する機能です。システムへのログインや自身が履修しているコースの一覧表示、履修登録の実施、動画やスライドによる学習、学習のふりかえりを行うテスト、成績表示などが行えます。

また、管理機能は主に受講者の管理を行う機能です。受講者の名前やID、メールアドレスなどを管理できるほか、eラーニングの履修状況の確認も行えます。

指導機能は、主にeラーニングの受講履歴の確認やレポートの出題・提出状況の確認、採点、評価などが行える機能です。

教材管理は、各講習コースの作成や管理を行うほか、教材のアップロードや編集などを行います。

学習管理システムの主な種類

学習管理システムには大きく分けてクラウド型とオンプレミス型があります。ここではそれぞれの種類の概要や特徴について解説します。

クラウド型

クラウド型は、クラウド上にサーバーが構築されており、インターネットを介して利用します。サーバーはベンダーが提供するため、利用者側で準備する必要がなく、手間がかからない点が特徴です。初期のセットアップを行えばすぐにシステムを利用できます。また、システムのバージョンアップなどもベンダーが対応するため、運用しやすいタイプだといえるでしょう。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社のサーバー内にシステムを構築して利用します。自分たちでシステムを構築しなければならないため、手間がかかりますが、その分自由度が高く自社のニーズに応じたカスタマイズが可能です。また、自社のネットワークを利用することからセキュリティ面でも安心して利用できるでしょう。ただし、システムのバージョンアップやトラブル対応などは自社で対応する必要があるため、社内に専門人材がいなければ難しいといえます。

学習管理システムを導入する際のポイント

ここでは学習管理システムの導入を検討している企業の担当者に向けて、選ぶ際のポイントを紹介します。学習管理システムは各社から提供されており、それぞれ特徴が異なるため、どれを選べばいいのか迷う人も少なくないでしょう。自社にあったシステムを選ぶためにもぜひ参考にしてください。

教材を作成できるか

選ぶ際のポイントの1つが、教材を作成できるかどうかです。学習管理システムには、教材がすでに用意されているものもありますが、自社内で教材を作成したいと考えているケースもあるでしょう。システムによっては、教材を作成できるものや既存のパワーポイントやPDFなどのファイルをアップロードして教材として活用できるものなどがあります。また、動画の作成や編集ができるものもあるため、動画教材を活用したい場合は、その点も合わせてチェックしておきましょう。

マルチデバイス対応か

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末など、さまざまなデバイスで利用できるかどうかも大切なポイントです。たとえば社内だけでなく、移動中や外出先、リモートワーク中の自宅など、さまざまな場面でeラーニング受講する可能性があります。マルチデバイス対応であれば、隙間時間を使って学習するなど、時間をより効率よく使うことができるでしょう。

予算内で利用できるか

学習管理システムの導入にあたっては、コストが発生するため、予算内で利用できるかどうかも確認しておきましょう。システムによって提供されるサービスに違いがあります。また、初期費用は安いものの必要な機能を追加するためにオプション料金が必要になるケースも考えられます。費用形態を事前によく確認したうえで利用を検討することが大切です。なお、クラウド型のシステムの場合、無料トライアルを実施しているケースもあるため、それを利用するのも1つの方法です。

自社のニーズにあった機能があるか

いくら優れたシステムであっても、自社のニーズに合っていなければ意味がありません。そのため、多機能であるといった理由だけでシステムを決めることはしないようにしましょう。事前に自社のニーズを洗い出したうえで、適切なものを選ぶことが大切です。たとえば、リモートワークをする人が多い企業であれば、Zoomと連携できるかどうかといった点は欠かせないでしょう。

扱いやすいか

学習管理システムをはじめとしたITツールの導入にあたって注意しなければならないのが、扱いやすいかどうかです。社員の中にはITツールの扱いが苦手な人もいるでしょう。そういった人でも扱いやすいシステム、一目見ただけで直感的に操作できるシステムであれば、スムーズなeラーニングが可能となります。一方で扱いにくいシステムだと、受講時のストレスや負担が大きくなり、受講状況にも影響を及ぼす恐れがあります。

サポート体制は充実しているか

スムーズに導入するためにも、そしてトラブル発生時にすぐに対応するためにも、サポート体制が充実しているかどうかは重要なポイントです。システムを導入して終わりとなるベンダーではなく、操作方法のレクチャーや導入後のメンテナンス、トラブル発生時のメール・電話サポートなどサポート体制が充実しているベンダーを選びましょう。

学習管理システム導入の流れ

学習管理システムを導入するにあたっては、まず自社のニーズを洗い出し、どういった機能が必要なのか明確にしておく必要があります。たとえば、教材は自社内で作成するから教材の数は豊富でなくていい、といった点です。
ニーズが明確になったら、各ベンダーから情報収集を行います。気になるシステムがあれば、直接やりとりを行いましょう。特に機能やサポート体制、価格など疑問点や不明点がある場合は遠慮なく質問することが大切です。
導入するシステムを決めたら、環境構築を行います。環境が整備できたら、管理者権限の付与やパスワードの設定など運用準備を行い、実際に運用を開始します。

おすすめの学習管理システム

ここではおすすめの学習管理システムを紹介します。システムは各社から提供されており、特徴も異なるため、システム選びで迷っている企業の担当者はぜひ参考にしてください。

LMS365 | 株式会社ソフィア

LMS365は、株式会社ソフィアが提供する学習管理システムです。こちらのシステムの特徴は、「Microsoft SharePoint Online」上で動作する点です。そのため、エクセルやワード、パワーポイントなど、普段から使用しているツールを使って教材作成や教材のアップロードなどが行えます。また、Microsoft Teamsとの連携も可能であるため、受講者同士や講師と受講者、受講者とその上司などさまざまな人とのコミュニケーションをとりながら学習を進められます。

参考:LMS365 | 株式会社ソフィア

playse. eラーニング | 株式会社manebi

playse. eラーニングは、株式会社manebiが提供する学習管理システムです。こちらのシステムでは、3,000以上の教材が用意されており、それら全てを利用することができます。教材のジャンルは多岐に渡るため、受講者や企業のニーズにあった教材を見つけることもできるでしょう。社内に既存の教材がなく、作成する余裕やリソースがないといった場合に役立つシステムだといえます。また、学習の効果はテストなどを通して把握できます。さらに、料金は従量課金制となっているため、コストを抑えることも十分可能です。

参考:playse. eラーニング | 株式会社manebi

AirCourse | KIYOラーニング株式会社

KIYOラーニング株式会社が提供するAirCourseは、初期費用0円かつ月額料金も200円から利用できる学習管理システムです。コストを抑えつつシステムを導入したい企業にぴったりでしょう。また、コストだけでなく機能面も充実しています。たとえば、オリジナルの教材作成は簡単に作成できるほか、動画やアンケート、テストなどさまざまな教材を作成できるため、自社のニーズに応じたeラーニングが可能となります。

参考:AirCourse | KIYOラーニング株式会社

Schoo for Business | 株式会社Schoo

Schoo for Businessは、これまでに3,000社以上の導入実績がある学習管理システムです。株式会社Schooが提供しているこちらのシステムでは、各業界の最前線で働く講師がビジネススキルやWebサービス開発などさまざまなジャンルの講義を行います。
また、8,000本以上の動画が視聴でき、動画のダウンロード視聴にも対応しているため、場所を問わずeラーニングをすることが可能です。動画を組み合わせてオリジナルの研修を作成できるほか、動画視聴しながらコミュニケーションが取れる機能もついているなど、受講者の学習をより促進してくれる機能も利用できます。

参考:Schoo for Business | 株式会社Schoo

CAREERSHIP |株式会社ライトワークス

CAREERSHIPは、株式会社ライトワークスが提供する学習管理システムです。こちらのシステムは、主にeラーニングの管理面での業務効率化を図りたい方におすすめです。
たとえば、受講者に一括でメールを送信できるほか、研修データのCSV化に対応しているなど、データ集計や連絡業務を効率化できます。また、職種別や職能別で必要なスキルの体系化が可能であり、スキルの習得状況や受講生の評価の一元管理もできるなど、管理者の業務負担を大幅に軽減してくれるでしょう。
そのほかにも、日本語・英語・中国語・ベトナム語に対応しているほか、動画配信システムとの連携もできます。

参考:CAREERSHIP | 株式会社ライトワークス

KnowledgeC@fe | 株式会社富士通ラーニングメディア

KnowledgeC@feは、人材育成企業としてのノウハウを有する株式会社富士通ラーニングメディアが提供する学習管理システムです。これまでの豊富な研修運営実績に基づいたサポート体制も用意してくれているため、初めてシステムを導入する企業でも安心して利用できるでしょう。学習教材に関しては、2,800以上のコンテンツを用意しています。また、ワードやパワーポイントを教材として使うこともできるため、既存教材の活用も可能です。もちろん、受講状況や学習の進捗状況の管理も行えます。

参考:KnowledgeC@fe | 株式会社富士通ラーニングメディア

ひかりクラウド スマートスタディ | 東日本電信電話株式会社

ひかりクラウド スマートスタディは、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)が提供する学習管理システムです。NTT東日本という知名度の高い企業が提供しているシステムということもあって、初めて導入する企業などでも安心感があるでしょう。また、動画やドキュメントなど、社内の既存教材を活用した学習ができるほか、ドリルによる理解度のチェックなども行えます。さらに、eラーニングだけでなく、Web会議にも活用できるなど、その使い勝手の良さも魅力の1つです。

参考:ひかりクラウド スマートスタディ | 東日本電信電話株式会社

Smart Boarding | 株式会社FCEトレーニング・カンパニー

Smart Boardingは、教育研修を手がけている株式会社FCEトレーニング・カンパニーが提供する学習管理システムです。これまでに4万以上のアカウントが利用するなど、実績は豊富だといえます。また、月額980円/1IDで講習を受け放題できる点も魅力的です。動画コンテンツは360種類以上が用意されているほか、講習での学びを実践するライブ型のオンラインレッスンもあります。インプットとアウトプットをバランスよく行えるため、知識やスキルを着実に自分のものにすることができるでしょう。

参考:Smart Boarding | 株式会社FCEトレーニング・カンパニー

Teachme Biz | 株式会社スタディスト

株式会社スタディストが提供するTeachme Bizは、マニュアル作成や手順書作成に特化した学習管理システムです。こちらのシステムを使えば、たとえば工場で使用する機械の操作手順やサービス業における接客業務などのマニュアル作成が行えます。これらの業務はテキストで説明するだけでは十分に理解できない可能性がありますが、Teachme Bizを使えば、ビジュアルベースのマニュアルを作成できるため、理解を促進してくれます。マニュアルはテンプレートに沿って作成できるため、初めて利用する人でも手軽にマニュアルを作成できる点も特徴です。
動画をマニュアルに使用できるほか、パワーポイントやワード、PDFのインポートにも対応しているため、既存マニュアルの活用も可能です。

参考:Teachme Biz | 株式会社スタディスト

ek-Bridge | パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社

ek-Bridgeは、パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社が提供する学習管理システムです。数十人程度の中小企業から数万人の大企業まで規模の大小を問わず利用できる点が特徴となっています。シンプルな操作画面となっているほか、日本語・英語・中国語の3ヶ国語に対応しているため、外国籍の社員が在籍している企業での利用にも向いています。機能面では、出席や講習資料へのアクセス履歴などの受講者管理はもちろん、コースへの出席やテストの結果を管理する学習進捗管理や動画配信機能などが利用できます。

参考:ek-Bridge | パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社

まとめ

今回は、学習管理システムの概要や主な機能、導入時のポイントなどを紹介しました。学習管理システムは、パソコンやスマートフォンを使ってeラーニングを行う際のベースになるシステムです。受講生の管理をはじめとして、教材の作成・管理など、eラーニングの実施に欠かせない機能を有しています。選ぶ際には、自社のニーズを明確にしたうえで、教材が豊富であるかどうか、教材の作成が可能か、扱いやすいかといった点をチェックしてみてください。

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