LMSとは?企業のメリットやサービス選定時の比較ポイントを解説!

公開日:2023.07.19 更新日:2023.07.19

インターネットを通じて教材の配信や受講を可能にするLMSは、従来のアナログな管理体制からデジタルへ移行し、育成の効率化や運用コストの削減を実現できる可能性を秘めたツールです。

インターネットが普及した現在では、多くの現場でLMSが導入されており、クラウドサービスを提供する事業者も増えてきています。本記事では、LMSを導入する企業側のメリットや、サービス選定時の比較ポイントを解説するとともに、企業で使用できるLMS 5選を紹介します。

LMSとは

LMS(Learning Management System)とは、日本語で「学習管理システム」を表す言葉です。管理者がインターネットを通じて教材を提供し、受講者はシステムにログインして教材を受講するための「受講機能」と「管理機能」の、大きく分けて2つの機能で構成されます。

LMSはeラーニングの基礎となるシステムであり、「eラーニングプラットフォーム」や「eラーニングシステム」と呼ばれることもあります。

近年ではWebを通じたクラウドサービスとして提供されるケースが多く、さまざまな事業者が独自性に富んだLMSをリリースしています。

LMSを導入する企業側のメリット

LMSを導入することで、受講者の学習状況を管理しやすくなる、運用コストを削減できる、教材のアップデートが容易になるなど、企業側にとってさまざまなメリットがあります。ここでは、LMSを導入する3つのメリットを、企業側の視点で解説します。

受講者の学習状況を管理しやすい

LMSは、受講者の学習状況を一括で管理することが可能なシステムです。従来は一人ひとりの情報を個別で管理しなければならなかったアナログな運用体制を抜け出して、統一的な管理に切り替えられます。

また、受講者がどのように解答したのかをチェックしたり、正答率を自動的に記録したりすることで、個別に苦手な科目をフォローするなどの対策も立てやすくなります。

運用コストを削減できる

LMSを活用することで、運用コストの削減にもつながります。

集合研修のような形式で講義を行う場合、外部の講師を招く費用や、会場代など、さまざまなコストがかかります。自社で講師や会場をカバーする場合でも、安定的なクオリティで講義を行うためには専門性の高い人材を維持する必要があるため、一定の人件費がかかります。

LMSを導入すると、これまで行っていた対面形式の講義をシステム化し、Web上で完結させられるようになるため、人件費や会場費などのコストを大幅に削減できます。

教材のアップデートが容易になる

LMSには、教材の作成や管理を効率的に行うための機能が備わっています。そのため、教材のアップデートが容易になり、受講者の意見を反映した最新の教材をこまめに提供できるようになります。

良い教材の提供は、受講者一人ひとりの学習成果を高めるきっかけになるだけでなく、受講者からの自社への信頼度や満足度を高めるポイントでもあります。

また、新しい教材を毎回印刷・製本し直す必要がないため、印刷コストや工数の削減も期待できます。

LMSの比較ポイント

LMSの導入を検討している企業にとって、「どのLMSを利用すべきか」は大きな悩みのひとつでしょう。LMSを選定する際は、機能や導入形態、コスト・料金プラン、導入実績、サポート体制など、いくつかのポイントを押さえて、自社に合ったものを選ぶことが大切です。

ここでは、5つの観点からLMSの比較ポイントを紹介します。

機能

LMSを選ぶうえで欠かせないポイントのひとつが、機能面です。システムを導入するにあたって、機能は多ければ多いほど良いと思われがちですが、本当に重要な点は「自社の目的に合致しているかどうか」にあります。

たとえば自社の管理体制を強化し、受講者がより成績をアップさせられる環境を整えたいと考えているなら、管理・分析機能が充実しているLMSを選ぶ必要があります。一方、これまでアナログで対応していた教材の作成をシステム化したいなら、教材作成・管理機能に特化したLMSを選ぶのが望ましいと考えられます。

このように、自社の目的に合わせて最適なLMSを選定することが、導入成功のポイントです。

導入形態

LMSの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。自社の運用体制も考慮しながら、どちらの種類を導入するか事前に決めておきましょう。

クラウド型とは、LMSを提供する事業者側が所有しているサーバーを利用する方式です。自社でサーバーを構築・運用する必要がないため、運用の手間やコストを削減できる点がメリットです。ただし、オンプレミス型に比べるとカスタマイズの自由度は低めです。

一方のオンプレミス型は、自社でサーバーを購入し、構築・運用する方式です。クラウド型に比べてカスタマイズの自由度が高く、細かい仕様を調整しやすい点がメリットとなっていますが、コスト面では高額になりやすいというデメリットもあります。

運用コスト・料金プラン

LMSを導入する前に、運用コストや料金プランをよく確認しておくことも大切です。

クラウドサービスを利用する場合は、導入時の初期費用と、毎月発生する月額費用を支払うのが一般的です。1年間でどのくらいのコストがかかるのかを試算して、予算とのバランスが取れたプランを選びましょう。

オンプレミス型の場合は自社でサーバー構築を行う必要があるため、サーバーの購入費用や構築費用を試算する必要があります。また、社内で保守・運用を行う必要があるため、保守・運用にかかるコストも忘れずに計算しましょう。

導入実績

LMSを選ぶ際は、公式サイトなどで過去の導入実績をチェックすることをおすすめします。導入実績が少ないと、トラブル対応に慣れていなかったり、サポート体制が充実していなかったりする可能性があるためです。

過去に多くの企業が導入しているサービスであれば、比較的信頼度が高いと判断できます。

また、自社と同じ事業領域を担当する企業を過去に担当した経験がある事業者を選ぶと、実際の業務に寄り添った提案をしてもらえる可能性が高くなります。

サポート体制

サポート体制が充実しているかどうかは、LMSを安定的に運用するうえで重要です。使い方が分からない時にすぐに問い合わせに回答してもらえるか、トラブルが起こった時に素早く対応してもらえるかなどを事前にチェックして、サポートの手厚いサービスを選びましょう。

メール対応のみのサービスではなく、電話対応を受け付けているサービスを選ぶと、トラブルが起こった時によりスムーズに解決しやすくなります。

企業で使用できるLMS 5選

近年では、さまざまな事業者が企業で使用できるLMSを開発・提供しています。ここでは、数あるLMSの中から、おすすめのLMS 5選を紹介します。

CAREERSHIP

CAREERSHIPは、株式会社ライトワークスが提供する統合型のLMSです。eラーニングや研修管理、スキル評価など、人材育成に不可欠なあらゆるコンテンツを統合的に管理することで、管理を効率化しつつ、人材育成効果を最大限に高められます。

キャリアを可視化できる「キャリアマップ機能」や、スキルを体系的に把握できる「スキル管理機能」などを活用することで、パーソナライズされた育成プランを立て、従業員一人ひとりに寄り添った育成が可能です。

年4回の定期バージョンアップを実施しており、常に利便性の向上を図っている開発体制には安心感があります。

統合型LMS(学習管理システム)CAREERSHIP公式サイト

 KnowledgeC@fe

KnowledgeC@feは、株式会社富士通ラーニングメディアが提供するLMSです。導入社数2,160社、利用者数81万人(2023年5月現在)を数えるLMSで、多くの企業に支持されており、高い人気を獲得しています。

KnowledeC@feは人材育成をサポートするためのLMSであり、研修効果を最大化するための理論に基づいた教材が数多く提供されています。2,800以上のコンテンツが用意されており、社内のさまざまな立場の人材に向けて最適な教育を行えます。

KnowledeC@fe公式サイト

AirCourse

AirCourseはKIYOラーニング株式会社が提供するLMSです。1名あたり月200円~の低コストで650コース4,000本以上もの動画研修を受講し放題となっており、コストパフォーマンスの高さが魅力です。

教材の作成機能も充実しており、「オリジナルコース」として自社独自の動画研修を簡単に作成・配信できるため、専門性の高い教育が必要な現場でも活用しやすいLMSとなっています。

シンプルで視認性の高いインターフェースが採用されており、管理者・受講者双方にとって、直感的に利用しやすい画面設計も特徴のひとつです。

AirCourse公式サイト

LMS365

LMS365は株式会社ソフィアが提供するLMSで、Microsoft 365と連携して利用できる点が特徴です。

Microsoft SharePoint Online上やMicrosoft Teamsで動作するeラーニングシステムとなっており、インストール手順に従ってインストールするだけで、すぐにコンテンツの作成・配信・管理を行えます。

既存のMicrosoftアカウントと連携してユーザー独自のポータル画面に自動ログインするだけで、現在受講中のコースや、これから受講しなければならないコースをひと目で確認できます。

LMS365公式サイト

playse. ラーニング

playse. eラーニングは、株式会社manebiが提供する社員研修に特化したLMSです。2023年5月現在、5,000以上もの豊富な教材を取り揃えており、社員研修の企画・運用を効率的に行えます。

階層別研修や職種別研修、情報セキュリティ研修、コンプライアンス研修、ハラスメント研修など、企業に不可欠なさまざまな研修の教材が揃っているため、クオリティの高い社員研修を手軽に開催できます。

IDの有効・無効を切り替えられるようになっており、有効になっているIDの数だけ月額料金が発生する仕組みを採用しているため、コストの効率化をはかれるのも嬉しいポイントです。

playse. eラーニング公式サイト

まとめ

LMSの導入によって、システム上で受講者の情報を統合的に管理できるようになります。さまざまなデータを蓄積することによって、受講者一人ひとりにパーソナライズされた教育を行えるようになるため、組織全体のスキルの底上げにもつながります。

LMSを選定する際は、機能や導入形態、コスト・料金プラン、導入実績、サポート体制などのポイントを押さえつつ、自社の目的に合ったものを選ぶことが大切です。今回紹介したLMSも参考にしながら、活用しやすいサービスを導入しましょう。

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