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中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる分野への挑戦を支援する制度です。高付加価値事業への投資や新市場の開拓を後押しすることで、企業の生産性向上や賃上げの実現をめざしています。
対象となるのは、日本国内に本社および補助事業実施場所を有する中小企業等です(詳細は公募要領をご確認ください)。補助対象経費には、機械装置、システム構築費、技術導入費、クラウドサービス利用料、広告宣伝費などが含まれます。一方、既存事業に関する費用や日常経費(家賃・水道光熱費など)は対象外となるため、誤って申請すると不採択や返還義務の原因となるおそれがあります。慎重な精査が必要です。
補助率は1/2以内で、従業員数によって補助上限額が異なります(補助下限額は750万円)。たとえば、従業員が20人以下の場合は上限2,500万円、101人以上では7,000万円となります。加えて、「大幅賃上げ特例(最低賃金+50円・給与総額年6%増)」を計画すると、上限額が引き上げられる措置もあります。
第3回公募(2026年2月開始)のスケジュールは以下の通りです:
なお、2025年度は第1〜第4回まで全4回の公募が予定されており、第3回の後には第4回公募(2026年3月末開始予定)も控えています。次年度以降は「新事業進出・ものづくり補助金」として制度が再編される予定のため、現行スキームで申請できる期間は限られており、早めの準備が重要です。
採択される計画の第一条件は、「これまでにない新しい取り組み」であることです。既存商品の増産や他社サービスの模倣と判断された場合は評価が下がります。市場や顧客が新しく、高い付加価値を生む製品・サービスであるかどうかが審査のポイントとなります。GX(グリーン・脱炭素)、DX(デジタル化)、観光・インバウンド、地域資源活用といった政策テーマとの合致も重要です。
採択された企業には、自社固有の技術やノウハウ、地域性を活かしたユニークな視点の事業が多く見られます。特に卸売・小売業の採択率が高かった背景には、地域資源を活かした商品開発や観光との連携、EC展開といった独自性の高い取り組みがあります。農業分野では6次産業化(生産+加工+販売)に踏み込んだ事業が高く評価されています。
計画の実行力も重視されます。売上見込みや市場調査、PoC(概念実証)、提携先の確保、顧客ヒアリングなど、事業化に向けた裏付けがなされているかが評価対象です。また、誰が・いつ・どう実行するか、KPIは何か、といった運営体制の明確化も求められます。抽象的な構想ではなく、具体性を持った実行計画が評価されます。
オンライン面接などの口頭審査では、経営者自身が計画内容を理解し、自らの言葉で説明できることが重要です。支援者任せの申請は、面接での不利や、採択後の取消リスクにもつながります。経営トップが主導して計画を作成する姿勢が採択の鍵となります。
第1回公募(2025年春)では、3,006件の応募のうち1,118件が採択され、採択率は37.2%でした。
これらに照らして、事業の新しさ・価値・体制を分かりやすく示すことが重要です。
以下のような条件に該当する場合、加点を受けられます:
該当する場合は、必ず申請書に記載し、裏付け資料を添付しましょう。
2026年2月開始の第3回公募は、制度改編前の貴重な機会となる可能性があります。採択される計画には、以下のような共通項があります:
これらを「新規性×実現性×政策適合性」の三位一体で構成し、補助金の趣旨に合致した説得力のある事業計画を仕上げましょう。早期準備が採択への第一歩です。