ものづくり補助金Q&A30選|対象・補助率・加点項目・申請方法まで徹底解説

公開日:2025.12.12 更新日:2025.12.12

「ものづくり補助金」は、設備投資や新製品開発、サービスの高付加価値化などに取り組む中小企業・小規模事業者にとって、非常に心強い支援制度です。しかし、申請には多くのルールや専門的な用語があり、「何から始めればいいのか分からない」と感じる方も少なくありません。

本記事では、そうした疑問や不安を解消するため、ものづくり補助金に関する代表的な質問を「Q&A形式」で30項目にわたって解説します。初めて申請を検討する方から、過去に申請経験のある方まで、幅広い読者に役立つよう、最新の制度情報をもとに網羅的に整理しました。

この記事を通じて、制度の概要から申請準備、審査のポイント、採択後の対応までの流れを的確に把握し、自社の成長戦略にぜひお役立てください。

ものづくり補助金とは?その基本情報を押さえよう

Q1. ものづくり補助金とは何ですか?

中小企業・小規模事業者が新製品開発や生産性向上のために行う設備投資などに対し、国が費用の一部を補助する制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。製造業に限らず、サービス業や小売業など幅広い業種で利用できます。

Q2. 対象となる企業は?

日本国内の中小企業・小規模事業者や個人事業主が対象です。第22次公募では、公募要領上「応募申請時における常時使用する従業員の数が1人以上」であることが明記されており、従業員ゼロの事業者は申請できません。

Q3. 補助金額の上限はいくらですか?

事業枠と従業員規模により異なりますが、一般型は最大2,500万円、グローバル枠は最大3,000万円です。大幅賃上げ特例を活用することで、さらに最大1,000万円の加算も可能です。

Q4. 補助率は?自己負担はどれくらい?

原則として中小企業は1/2、小規模事業者は2/3となっています。新設された最低賃金引上げ特例を活用すれば、中小企業でも補助率が2/3に引き上げられます。

Q5. 補助事業の実施期間は?

一般枠の補助事業期間は、「交付決定日から10か月以内(ただし採択発表日から12か月以内)」と定められています。第22次公募の場合、2026年4月下旬頃に採択公表が行われ、その後の交付決定日から約10か月以内に事業を完了し、実績報告を行う流れとなります。

申請の流れと必要な準備

Q6. 最新の公募スケジュールは?

年間に3〜4回の公募が実施されます。第22次では2025年10月に公募が開始され、2026年1月末に締切、4月下旬に採択発表が予定されています。毎回スケジュールは異なるため、公式サイトで最新情報を確認しましょう。

Q7. 申請方法は?

申請は、電子申請システム「jGrants(ジェイグランツ)」を通じて行います。紙による申請は認められていません。申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要なため、早めの取得がおすすめです。

Q8. GビズIDとは?

GビズIDは、政府が提供する各種電子申請サービスに共通して利用できる認証IDです。取得には印鑑証明書などの郵送提出が必要で、発行まで2~3週間程度かかるため、早めに準備しましょう。

補助対象となる経費・ならない経費

Q9. 補助対象となる経費は?

機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、クラウド利用料、原材料費、知財関連費用などが補助対象となります。

Q10. 補助対象外の経費は?

建物建設費、不動産購入費、車両、販促費(※グローバル枠除く)、研修費、事務機器、自社人件費、中古品などは原則対象外です。

Q11. 見積書は何社必要?

50万円以上の経費については、原則として2社以上の相見積もりが必要です。中古設備の場合は3社以上が必要となります。1社のみの場合は「業者選定理由書」の提出が求められます。

事業計画書の書き方と審査のポイント

Q12. 事業計画書には何を書く?

目的・概要、革新性、目標数値、市場性、実施体制、予算内訳などを明確に記載し、審査員に伝わる構成を意識しましょう。

Q13. 審査で見られるポイントは?

革新性(技術面)、市場性・収益性(事業化面)、政策との整合性(政策面)の3つの観点から審査が行われます。

Q14. 採択されるためのコツは?

差別化の明示、具体的な数値目標、加点要素の活用、信頼性のある市場調査、そして専門家によるアドバイスの活用がポイントです。

賃上げや特例措置について

Q15. 賃上げの条件は?

給与支給総額を3~5年で年平均2%以上増加させ、事業所内最低賃金を地域の最低賃金+30円以上とする必要があります。未達の場合、補助金の返還対象になることがあります。

Q16. 大幅賃上げ特例とは?

年平均6%以上の給与増加と最低賃金+50円の水準を誓約することで、補助上限額が最大1,000万円加算される特例です。

Q17. 最低賃金引上げ特例とは?

最低賃金近傍で働く従業員が一定割合以上を占める事業者に対し、補助率を1/2から2/3に引き上げる特例です。

Q18. 加点項目には何がある?

経営革新計画、DX認定、健康経営優良法人、BCP認定、女性活躍推進など、政策に即した複数の加点項目が用意されています。

採択率や申請支援について

Q19. 採択率は?

最近は30〜40%前後で推移しています。グローバル枠は20%台とやや厳しめです。

Q20. 採択動向は?

革新性や政策との整合性を重視する傾向が強まっており、形式的な設備更新では採択が難しくなっています。

Q21. 採択後に必要な手続きは?

交付申請により、最終的な事業内容と経費の確定が行われます。交付決定後に事業を開始できます。

Q22. 補助金はいつ支払われる?

補助金は原則として事業完了後の精算払いです。概算払いは特別なケースを除いて認められていません。

Q23. 実績報告とは?

事業完了後に提出する報告書で、実際の支出や成果に関する証拠書類を添えて提出します。内容に基づき最終的な補助金額が決定されます。

再申請・併用・トラブル対応

Q24. 再度の申請は可能?

可能です。ただし、過去3年以内に2回採択された事業者は申請できません。また、直近の採択実績がある場合は審査で減点される可能性があります。

Q25. 不採択でも再申請できる?

できます。前回の課題を見直し、改善した内容で申請することで採択された事例も多数あります。

Q26. 他の補助金と併用できる?

同一経費での補助金重複受給は不可ですが、費目を明確に分ければ他制度との併用は可能です。

Q27. 自力申請は難しい?

申請書類の作成には一定の知識が求められます。専門家に相談することで、採択率の向上や負担軽減が期待できます。

Q28. よくある申請ミスは?

添付書類の不足、ID未取得、必須項目の記載漏れ、対象外経費の申請などが典型的なミスです。

Q29. 実施中のトラブル例は?

納品遅延、経費変更の無断実施、証憑書類の紛失、報告の未対応などが発生しやすいため、日頃からの管理体制が重要です。

Q30. 補助金返還の条件は?

成果未達、不正利用、交付要件違反、事業中止などにより、補助金の一部または全額返還を求められることがあります。

おわりに

ものづくり補助金は、単なる資金支援にとどまらず、企業の成長戦略や事業変革を後押しする制度です。申請のハードルは決して低くありませんが、制度の理解と綿密な計画立案により、十分に活用することができます。

本記事で取り上げた30のQ&Aを参考に、必要な書類や申請ポイントを丁寧に確認していけば、初めての申請でも安心して臨むことができるはずです。必要に応じて専門家の力も借りながら、補助金を活用してさらなる成長を目指してください。

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