リスキリングで何を学ぶ?おすすめのスキルと資格、研修サービスを解説

公開日:2023.04.11 更新日:2023.09.09

市場動向やビジネスモデルの変化、技術変革に対応するため、新たに知識を身に付ける「リスキリング」が注目されています。

しかし、リスキリングで具体的にどのような研修を実施すべきなのか、迷っているという企業担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、リスキリングで学ぶべき内容について、以下の項目を解説します。

  • リスキリングで学ぶべきおすすめのスキル
  • リスキリングにおすすめの資格
  • リスキリングができる大学・講座、サービス

社員へのリスキリング教育を行う際はぜひこの記事を参考に、研修計画の考案や利用サービスの検討をしていただければと思います。

リスキリングで何を学ぶべき?おすすめのスキルは?

リスキリングでは、技術革新やビジネスモデルの変化に対応でき、将来的にも需要が高まっていくと予想されるスキルを身につけるのがおすすめです。また、実際に学ぶ社員が高い意欲を持って取り組めるようなスキルであれば、なお望ましいと言えるでしょう。

この章では、リスキリングにおすすめの以下のスキルを解説します。

  • プログラミング
  • AI
  • DX
  • マーケティングスキル

プログラミング

1つ目のスキルは、プログラミングのスキル。

株式会社学情が行った20代への調査によると、リスキリングで取り組みたいIT関連スキルとして、一番多かったのがプログラミングです。

世界で人気のプログラミング言語をランキングしている「TIOBE Index」によると、2022年12月時点で人気の言語は以下の3つです。

  • Python
  • C言語
  • C++

Pythonはシンプルな言語で人気が高く、AIの開発に活用されています。難易度は低めなので、リスキリングとして初めてプログラミングを学ぶのにおすすめです。

C言語は、OSの制御やシステム開発など幅広い分野で用いられている言語です。C言語の拡張版であるC++とともに汎用性が高く、人気があります。どちらも汎用性の高い言語なので需要と将来性があり、こちらもリスキリングにおすすめのプログラミング言語です。

参照:株式会社学情「Re就活 20代アンケート調査」

AI関連スキル

2つ目は、AI関連スキルです。

AIは、機械学習によって物事の法則を学び、画像認識や異常検知、自然言語処理が自動でできるようになる技術です。ミスの防止や人手不足の解消、コスト削減などに役立てられています。

生産性向上のため、AIを導入する企業が増えています。IBMが発表した「世界の AI 導入状況 2022 年(IBM Global AI Adoption Index 2022)」によると、AIを導入している企業は35%、導入を検討している企業は42%でした。

今後もAIの需要が高まって行くと予想されるので、リスキリング教育を行いAIスキルを持つ人材を育成することが重要となります。

AI関連のリスキリング教育を行う際は、以下のような研修がおすすめです。

  • 全社向け:AIの基礎や活用方法を学ぶAIリテラシー研修
  • エンジニア向け:AI開発研修

AI教育を行う必要があるのは、エンジニアだけではありません。AIを活用した業務改善や、AIを使ったプロジェクト推進のために、全社向けにAIリテラシー教育を行いAIのスキルを持つ人材を増やすことが重要です。

参照:IBM「世界の AI 導入状況 2022 年(IBM Global AI Adoption Index 2022)」

DX関連スキル

3つ目は、DXに関連するスキルです。

DXとは、デジタル技術を用いて業務フローやビジネスモデルを変革していくことを指します。

生産性向上のため、多くの企業がDX推進を検討しています。帝国データバンクの調査によると、DX推進に取り組んでいる企業の割合は81.8%でした。

参照:帝国データバンク「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する企業の動向アンケート」(2021年12月)

DXプロジェクトを進めるには、DXやAIのスキルを持つ人材が必要になります。その必要性は社員にとっても大いに認識されており、いまからリスキリング教育を行い、DXスキルを持つ人材を育てておくことが重要です。

マーケティングスキル

4つ目は、マーケティングのスキルです。20代へのアンケートでは、マーケティングスキルは2番目に人気という結果になりました。

マーケティングのなかでも、特にSNSやWebを活用した、デジタルマーケティングスキルが重要と考えられます。

総務省の「令和元年通信利用動向調査」では、数多くのユーザーが情報収集や商品・サービスの購入にインターネットを利用しているというデータがあります。インターネットを活用したマーケティング活動は、企業にとって必要不可欠です。

TISの調査によると、デジタルマーケティングの重要性を感じている企業は50.3%でしたが、対策が不十分だと感じている企業は少なくありません。理由は「データ分析が可能な人員が不足している」が47.1%、「デジタルマーケティングへの知見が足りないから」が37.3%です。デジタルマーケティングスキルを持っている人材が不足していることがわかります。

参照:TIS「~95%以上の企業が「デジタルマーケティングの重要性」を感じる時代に~デジタルマーケティング実施状況についてアンケート調査」

リスキリング教育で、ユーザー目線に立ってニーズを分析できるデジタルマーケティング人材を育成することが重要です。

リスキリングで何を学ぶか迷ったら!おすすめの資格4選

リスキリングを行うにあたり、資格取得を目指すのも一つの方法です。学びの成果が「資格」という目に見える形で得られることで、社員も目的意識を持って取り組みやすくなります。

この章では、リスキリングにおすすめの資格4つを紹介します。

  • ITパスポート
  • 応用情報技術者試験
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験
  • マーケティング検定

基礎的なITスキルには:ITパスポート試験

基礎的なITスキルの資格としては、IT関連の国家資格である情報処理技術者試験のなかで最も難易度の低いITパスポート試験がおすすめです。

ITパスポート試験では、以下の項目についての問題が出題されます。

  • ストラテジ系:企業活動、法務、システム戦略に関する設問
  • マネジメント系:開発やプロジェクトのマネジメントに関する設問
  • テクノロジ系:コンピューターの仕組みや、セキュリティ・ネットワークに関する設問

この資格を取得することで、ITに関する基礎知識が身につきます。ITリテラシーが向上し、ITを使ったプロジェクトや業務改善を推進しやすくなります。

応用的なITスキルには:応用情報技術者試験

IT関連の応用的なスキルの習得としては、応用情報技術者試験がおすすめです。

応用情報技術者試験はITに関する応用的な知識を問う資格で、上流工程や経営戦略に携われる高度IT人材を育成するのに適しています。

応用情報技術者試験では、ITを活用した経営戦略やシステム構築についての知識が求められます。

情報処理技術者試験のなかではレベル3に属しており、基礎的な知識を身につけたあとに、次のステップとして取得しておきたい資格です。

プログラミングスキルには:Python 3 エンジニア認定基礎試験

プログラミングの資格は、Python 3 エンジニア認定基礎試験がおすすめです。

AIの開発言語として用いられるPythonは、エンジニアが学びたい言語1位にランクインしています。

参照:TECH STREET「ITエンジニアが 2021年に学びたい(強化したい)プログラミング言語ランキング」2021年12月

Python 3 エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する民間試験です。Pythonの使い方や文法など、基礎的な知識を証明することを目的としています。

マーケティングスキルには:マーケティング検定

マーケティングスキルを身につけるのにおすすめの資格は、マーケティング検定です。

マーケティング検定は、公益社団法人日本マーケティング協会による内閣府認定の試験で、1級・2級・3級と難易度が分かれています。

3級はマーケティングについて学習するのが初めてで、体系的な知識を身につけたい人におすすめの試験です。

以下の領域から問題が出題され、マーケティングに関する基本的な知識が身についているかどうかを測ります。

  • 基本概念
  • 市場環境
  • 戦略的マーケティング
  • マーケティング・リサーチ
  • 消費者行動
  • 製品戦略
  • 価格戦略
  • コミュニケーション戦略
  • チャネル戦略
  • サービス・マーケティング

引用:公益社団法人日本マーケティング協会「マーケティング検定3級試験 試験概要」

まずは基礎から学び、身につけた知識で十分なのか、より深く学びを進めていくべきなのか、別のスキルを身につける方が良いのかなど、会社にとっての必要性や個人のキャリアの方向性と照らし合わせながら、リスキリングの計画を立てていくと良いでしょう。

リスキリングができる大学や講座はある?

リスキリング教育は、大学が提供している講座や、大学と提携した研修サービスを利用することでも実施できます。

リスキリングができる大学や講座として、以下の2つを紹介します。

  • 産業能率大学 総合研究所
  • コグナビ カレッジ

産業能率大学 総合研究所

1つ目は、産業能率大学 総合研究所です。

産業能率大学 総合研究所は、企業の経営課題解決のための社会人教育を提供している機関です。さまざまな役職に応じた以下のような研修を、多数提供しています。

  • 経営マインドセット研修
  • 中堅社員実践研修
  • 新入社員ビジネス基本研修

なかでも、注目したいのはDX人材育成のための研修です。

DXに関する基礎的な研修や、マネジメントの基礎・実践に関する研修を提供しています。

<研修の例>

  • データサイエンス入門研修
  • DXマインドセット研修
  • データドリブンマネジャー研修
  • 実践データサイエンス研修〜Pythonで学ぶデータ活用〜

参照:産業能率大学 総合研究所「DX人材 プログラム一覧」

コグナビ カレッジ

2つ目は、大学と提携して企業向けの研修を提供しているコグナビ カレッジです。コグナビカレッジでは、機械・電機系の大学教授や准教授による研修を提供しています。

<提携大学>

名城大学/東海大学/帝京大学/中部大学/AIT愛知工業大学/関東学院大学/福井工業大学/崇城大学/石巻専修大学/龍谷大学/大阪電気通信大学

参照:コクナビ カレッジ

カリキュラムが固定されている「技術基礎研修」と、企業ごとにニーズをヒアリングしカスタマイズする「カスタマイズ型研修」の2種類から選択が可能です。

2022年に「技術基礎研修」のプログラムをリスキリング向けに刷新し、ものづくりにおけるリスキリングを支援しています。

リスキリングに役立つおすすめのサービス

リスキリング教育に役立つ、おすすめのサービスを2つ紹介します。

  • Aidemy(アイデミー)
  • insource(インソース)

Aidemy(アイデミー)

AIリテラシーやDXスキルを身につけるには、Aidemy(アイデミー)のサービスがおすすめです。AidemyはDXやAIに特化した人材育成サービスを提供しており、リスキリング教育にも力を入れています。

AI関連についての講座には、以下のようなものがあります。

  • AIの基礎知識が学べる「AIリテラシーパック」
  • IoTに用いられる機械学習や画像認識について学べる「AI×IoT・画像認識パック」
  • 機械翻訳や予測変換に用いる自然言語処理が学べる「自然言語処理パック」

学びたいスキルをピンポイントで学べるので、AIやDX関連の教育を集中的に行いたい企業におすすめです。

参照:Aidemy SELECT

insource(インソース)

幅広い種類の研修から自社に適したものを選ぶ場合は、insource(インソース)がおすすめです。

insourceは企業向けの講座や研修を提供しており、コミュニケーション研修やマネジメント研修、ロジカルシンキング研修など豊富な種類の研修を取り扱っています。

なかでも、DXやAI、マーケティングに関する研修には以下のようなものがあります。

  • DXの基礎やITツールの活用、システム開発に必要な言語などを学ぶ「DX(デジタルトランスフォーメーション)研修」
  • AIの基礎やAIを用いた業務改善、AI開発などについて学ぶ「AI(人工知能)研修」
  • マーケティングの基礎やデータ分析、Webマーケティングなどを学べる「マーケティング研修」

取り組みたい研修の種類が多い、企業研修の実績が豊富な会社に依頼したい場合におすすめのサービスです。

参照:insource

まとめ

企業や社員が今後の成長を考える上で、プログラミングやDX、AIといったIT関連、そしてマーケティングのスキルが高い注目度を集めています。マーケティングスキルの中では、特にSNSやWebを活用したデジタルマーケティングが重要と考えられています。

市場動向やビジネスモデル変革に対応するため、人材育成は欠かせません。また、自社の方針やニーズに対応できる人材を育成することも重要です。自社の課題や将来的な経営方針を明確にし、それに対応できるスキルをリスキリング教育で培うことをおすすめします。

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