知っておきたい企業研修のトレンド!今注目されている企業研修プログラム3選

公開日:2023.04.26 更新日:2023.04.26

産労総合研究所は2022年10月に「教育研修費用の実態調査」を発表し、この中で今後の教育研修費用の見通しを企業に尋ねたところ、「増加」と回答した企業は55.8%と半数を上回りました。企業の成長と変革のためには、最も重要な経営資源である人材に投資すべきという考えの表れではないでしょうか。企業研修には、コミュニケーション研修やロジカルシンキング研修といった定番の研修もあれば、デジタルトランスフォーメーション(DX)といったビジネスでホットなトピックを扱う研修もあります。今回は企業研修のトレンドについてご紹介します。

企業研修とは

企業研修とは、社員のために実施される研修のことで、新入社員研修や管理職研修などが該当します。実施形態としては、社員が講師役を務める社内研修や外部講師による社外研修があります。

企業研修の重要性 

企業研修は相応のコストや時間がかかりますが、それでも実施される理由は費用対効果がプラスであると考えられるためです。一般的に会社の規模と社員一人当たりの研修費用は比例関係にあります。規模の大きな会社ほど、企業研修を組織のパフォーマンス向上に不可欠な投資ととらえているのです。

企業研修の目的

研修内容によって目的はさまざまです。たとえば、新入社員研修はビジネスパーソンに必要な基礎的な知識の習得と社会人としての自覚を促すことを目的としています。また、管理職研修はマネジメントやコーチングスキルの習得により部下育成スキルの向上が期待できます。

企業研修のトレンド傾向

テレワークやコロナ禍の影響でオンライン研修を導入する企業が増えています。また、研修期間については長期化の傾向が見られます。

オンライン研修を導入する企業が増加

オンライン研修とは、インターネットで講師と受講者をつないで実施する研修のことです。テレワークの普及や新型コロナウイルスの流行を背景に、インターネット環境があれば場所を問わずに受講できるオンライン研修を導入する企業が増えています。

オンライン研修は、事前に録画した映像を受講者が視聴する「オンデマンド配信型(録画配信型)」と、講師と受講者がリアルタイムでコミュニケーションを取ることができる「ライブ型」の2つに分けられます。オンデマンド配信型は何度でも時間を問わずに視聴できるため、「業務の都合で時間が合わない」「自分のペースで受講したい」という方に向いています。一方、ライブ型はチャットや口頭で質問できるため、講師が受講者の理解度を確認しながら研修を進めてくれる点が魅力です。

研修期間の長期化

日本能率協会マネジメントセンターのアンケート調査(2020年10月発表)によると、新入社員研修は長期化の傾向がうかがえます。今後の新入社員研修の実施時期および実施期間について人事担当者に尋ねたところ、従来の「4月短期集中で実施する」と回答した企業は6割にとどまり、「長期で実施する」と回答した企業が4割を占めました(「4~6月に3か月間程度で実施」が23.1%、「年間を通して定期的に実施」が17.1%)。この結果は、長期にわたって学ぶことで学習効果を高める狙いがあるといえます。

トレンドになっている具体的な企業研修例 

ここでは、最近注目されている企業研修として、DX研修、ダイバーシティ研修、SDGs研修の3つを取り上げます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)研修

DX(Digital Transformation)とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念です。デジタルツールの導入やデジタル化にとどまらず、「デジタル技術の活用による新たな商品・サービスの提供、新たなビジネスモデルの開発を通して、社会制度や組織文化なども変革していくような取組」(出典:総務省「令和3年版情報通信白書」)を指します。

DXプロジェクト推進は、特定の社員だけでなく全社員の参加を必要とします。ただし、DX推進において担う役割は各社員によって異なります。DX推進の中核人材としてプロジェクトの企画に携わる人材もいれば、企画の実現をサポートする専門人材(データサイエンティストやエンジニアなど)や現場でDXを活用する人材もいるでしょう。そのため、DX研修は対象とする社員の役割に応じたプログラムが用意されています。

<DX研修のプログラム例>

・DX理解研修…DXとはどういったものかを理解する

・RPA研修…RPA(ロボットによる業務の自動化)について学ぶ

・機械学習研修…機械学習の理解やPythonによる実装を体験する

・DXプロジェクトマネジメント研修

・DXリーダー育成研修

ダイバーシティ研修

少子化が進む日本では、若手社員の採用がますます難しくなっていくことが予想されます。仕事と家庭を両立しながら働きたい女性や労働意欲の高いシニアを働き手として受け入れる機会も増えるでしょう。また、ビジネスの海外展開を進める場合は、外国人採用も選択肢の1つとなります。

企業が成長を続けるためには、多様なバックグラウンドをもつ人材がお互いを尊重しながら働けるかどうかが課題となります。人材不足解決には多様な人材を採用するだけではなく、受け入れる側の意識変革も不可欠です。ダイバーシティ研修は、多様な人材や働き方を理解したり、社員がいきいきと働ける職場環境を考えたりする機会を与えてくれます。

<ダイバーシティ研修のプログラム例>

・ダイバーシティ基礎研修…多様性について知り、相手の価値観を尊重することを学ぶ

・女性活躍推進研修…女性が活躍できる職場づくりについて学ぶ

・LGBTQ+研修…セクシャルマイノリティについて理解する

・インクルージョン研修…インクルージョン経営や部下とのコミュニケーション方法を学ぶ

SDGs研修

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された「持続可能な開発目標」のことです。17の目標と169のターゲットから構成され、2030年までの達成を目指しています。

SDGsを経営に取り入れることは、企業の社会的責任のみならず、企業のイメージアップにつながります。電通は2022年4月に「SDGsに関する生活者調査」(全国10~70代の男女計1.400人を対象)を発表し、この中でSDGsの認知率は86.0%、SDGsに積極的に取り組む企業は好印象を持たれるだけでなく、その企業の商品やサービスに対する利用意欲が高まるという結果が出ています。

<SDGs研修のプログラム例>

・SDGs導入研修…SDGsの基礎知識や企業がSDGsに取り組む必要性を学ぶ

・SDGsワークショップ…カードゲームを通して社内のSDGsに対する意識を醸成する

・SDGs経営研修…SDGs経営を実現するための組織戦略や目標設定について学ぶ

・SDGsマーケティング研修…SDGsをマーケティングに活かす方法を学ぶ

まとめ

今回は企業研修のトレンドについてご紹介しました。人材育成は企業の競争力向上に欠かせない要素であり、企業研修は人材育成の有効な手段の1つといえます。対面型の他、オンデマンド配信型やライブ型といったオンライン研修も利用できます。ニーズに合わせて研修内容をカスタマイズ可能なケースも多いため、興味を持った研修があれば問い合わせてみることをおすすめします。

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