人材配置とは?人材配置を最適化する方法と最適化で使えるシステム

公開日:2023.07.10 更新日:2023.07.10

優秀な能力を持つ人材が期待に見合った働きをしてくれないというケースは多いのではないでしょうか。能力を十分に発揮できない理由は、社員本人のモチベーションや仕事に対する姿勢だけが問題とは限りません。組織の人材配置が問題を抱えている可能性も考えられます。今回は人材配置を最適化する方法や人材配置の最適化に役立つシステムをご紹介します。「常日頃、人材配置に気を配っているにもかかわらず、思うような効果を上げられていない」という場合は、ぜひこの記事を参考にしてください。

人材配置とは?

人材配置とは、組織において人材を部署やチームに配属することを指します。一般的には、採用、人事異動、昇進・昇格などの際に人材配置が実施されます。適材適所の人材配置により、業務効率の向上や離職率の低減が期待できます。その他、新入社員に会社における業務の全体像を理解してもらうため、ジョブローテーションという形で約3年かけて各部署を経験させる、ということも行われています。

人材配置の見直しをする目的

人材配置後、必要に応じて配置を見直す(再配置を実施する)ことも重要です。場合によっては配属先が合わないケースもあるでしょう。配属された人材の勤務状況や業務のパフォーマンスに応じて、再配置を検討します。

組織全体のレベルを高く保つためには、固定的な人材配置ではなく、柔軟な人材配置が求められます。柔軟な人材配置を行っている企業は、急激な環境変化にも素早く対応し、持続的成長を実現できると考えられます。実際、株式会社野村総合研究所が2020年10月5日に発表した、「人材マネジメントの柔軟性と新型コロナウイルスの会社業績への影響調査」によると、「柔軟な人材配置・任用」ができている企業は、新型コロナウイルスに適切に対応できている傾向が見られました。

人材配置を最適化する方法

先ほど、人材配置は必要に応じて見直す必要があると述べました。しかし、恣意的な評価によって人材配置が行われてしまうと、配置された本人やその周り、さらには組織全体に悪影響を及ぼします。直属の上司との1対1での面談によるヒアリング結果だけでなく、複数名による多面的評価を取り入れることにより、人材配置の精度を高めるようにしましょう。

人材や組織のマネジメントを行う際のツールとして、アセスメントやサーベイも利用されます。管理者の適性を把握する「NMAT(エヌマット)」や人材を複数名で多面的に評価する360度評価システム「MOA(Multi-Observer-Assessment)」(いずれも株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)といったサービスが提供されています。NMATは50年以上の歴史を持ち、全国の管理職層と比較した相対的な管理職適性を測定できる適性検査です。一方、MOAは1993年にサービスの提供が開始され、中堅社員向け、管理職向け、経営職向けの3種類の中から選べます。

人材配置最適化で使えるシステム

人材配置最適化を実現するために役立つシステムがタレントマネジメントシステムです。タレントマネジメントシステムにより、社員の基本情報やスキル、経験などの情報を一元管理し、戦略的な人材育成や人材配置、社員エンゲージメントの向上を実現します。ここでは、タレントマネジメントシステムの中から、主要な製品をご紹介します。興味をお持ちの場合は無料トライアルを試してみることをおすすめします。

カオナビ(株式会社カオナビ)

組織が拡大し、人が増えてくると、一人一人の名前と顔を覚えるのも難しくなり、組織内のコミュニケーションに問題が生じることがあります。カオナビは、社員の名前と顔が一致しないという悩みを解決するために生まれたクラウド人材プラットフォームです。クラウド上の顔写真に社員のプロフィールが紐づけられており、社員の顔ぶれを見ながら人材配置を検討できます。また、カオナビはアンケート機能を備えています。アンケートをドラッグ&ドロップで作成、異動希望やキャリア希望を素早く回収できます。

人件費やスキルを確認しながらの人材配置のシミュレーションも可能です。画面上の顔写真をマウスでドラッグ&ドロップで移動させると、部門の人件費の変動を確認できます。カオナビに保存されている人材データに基づき、グラフの入ったレポートも作成可能です。レポートは情報が自動的にアップデートされるため、人事担当者の負担軽減につながります。

タレントパレット(株式会社プラスアルファ・コンサルティング)

タレントパレットは、人事にマーケティング思考を取り入れ、科学的人事の実現を目指すタレントマネジメントシステムです。社員数が数千名規模の企業や、拠点・部署を多数抱える企業では、社員同士の面識がないことも少なくありません。リモートワークで働く機会の増加は、この傾向に拍車をかけています。もしこのような条件に当てはまる場合は、タレントパレットの導入を検討されると良いでしょう。

タレントパレットは、社員の顔写真のドラッグ&ドロップで異動シミュレーションができる点は、他の製品と同様ですが、絵の具のパレットのように、保有資格や滞留年数などの条件で人材の顔写真を色分けして、人材の特徴を直感的に把握しやすい点が特徴です。また、アンケート機能を利用して、社員の意識調査を短期間に繰り返す「パルスサーベイ」も実施できます。

新入社員の育成のためのジョブローテーションでは、さまざまな条件を考慮したうえで異動を検討する必要がありますが、タレントパレットは情報のリストアップだけでなく、異動候補者をグループにまとめての検討も可能です。部署ごとに人材要件を設定すると、AIがスキル・経歴・実績などの情報を分析し、配置案を提案してくれる機能を搭載しています。なお、タレントパレットはクラウド人事労務ソフトのSmartHRの社員情報と同期できます。

SmartHR(株式会社SmartHR)

SmartHRはシンプルで直感的な操作が可能なクラウド人事労務ソフトです。SmartHRは労務管理SaaSとして大きなシェアを占めていますが、タレントマネジメント機能の強化にも努めています。SmartHRの保存された労務データ・人事評価・サーベイの情報を活用し、最新の人事データに基づいた効果的な人材配置が可能です。配置案を作成後、データベースや組織図への反映、事例通知までをシステム内で実施できます。

2021年1月にリリースされた組織図機能は、組織に含める部署を選択し、必要に応じて代表者・部門長・管掌者を設定するだけで組織図を作成できる機能です。また、タレントパレットとのAPI連携機能が2019年12月に搭載され、SmartHRに登録されている社員情報をタレントパレットと同期できるようになりました。SmartHRとタレントパレットの両方を利用している場合、社員自らSmartHRに個人情報を登録すると、その情報がタレントパレットに同期されるため、担当者がタレントパレットで個人情報を登録する手間を省くことができます。

まとめ

今回は人材配置の最適化について取り上げました。適切に人材配置が行わなければ、それぞれの人材が持つ強みを十分に引き出すことができません。タレントマネジメントシステムなども活用しながら、適宜人材配置を見直し、組織力を向上させましょう。

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