「人材育成方針とは?」「人材育成方針の決め方とは?」などと気になっていませんか?
人材育成の方針を設定しようと思っても、何から決めればいいのかわからないという人も多いかと思います。
近年、キャリア採用やジョブ型雇用など、即戦力を求める企業が増えてきています。企業にとって理想となる人材を明確化し、人材育成方針を定めることは、即戦力として働ける優秀な社員を確保するためにも欠かせない要素です。
企業を成長させるためにも、人材育成方針が定まっていない場合は早めに明確化する必要があると言えるでしょう。
本記事では、人材育成方針を考える際のポイントや決めるまでの流れを解説しています。人材育成方針の自治体や会社の事例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
人材育成方針とは、「企業にとって理想となる人材を明確化し、方針を定めること」です。人材育成における指針をはっきりさせれば、企業にとって理想的な人材の確保につながります。
企業にとって理想的な人物像を確認するためにも、社員が迷いなく成長するためにも、人材育成方針の設定は必要です。方針が定まっていない場合、人材育成の方向性にばらつきが出るおそれもあります。
一貫した方針を示し、人材育成をする側とされる側が同じ方向を向くことで、本当に必要な研修や教育を行うことができます。社員にとってもなるべき姿が明らかにされている方が、モチベーションを感じることができるでしょう。人材育成方針の策定は企業の成長においても必要不可欠と言えます。
人材育成方針を決めるメリットは、以下のように考えられます。
人材育成方針を定めると評価制度も明確になり、企業の成長促進にもつながります。また、育成に対する考えを社員に共有することは、異なる価値観を持つ社員の足並みを揃えることにも繋がります。
人材育成方針を考える際には、以下のポイントを抑えましょう。
それぞれ詳しく解説します。
人材育成方針を定める際には、実現可能な内容にする必要があります。育成方針に実現が難しい、高い要求が並んでしまうと、社員が会社に対する不信感を抱くきっかけにもなりかねません。
また、育成される社員だけではなく、育成を担当する上司の側の負担も大きくなります。場合によっては、根性論のような主張で部下に対して圧力をかけてしまう上司もあらわれるかもしれません。人材育成方針は現場の社員を考慮しながら実現可能なものを定めましょう。
人材育成方針を決めたら、必ず社員への共有をしましょう。せっかく定めた方針も、社員に共有しなくては意味がありません。
最初に管理職の立場である人材に周知して、内容を理解してもらうことが大切です。方針への理解が深まったら、部下に共有して足並みを揃えていきましょう。
人材育成方針は、一度定めたら終わりではありません。取り組む事業によって環境の変化も起こるため、定期的な見直しをする必要があります。
社員の持っている知識が古くなると、今までの顧客が離れてしまう事態を招くこともあります。時代の変化とともに必要な知識や求められる人物像も変わりますから、現在の方針で間違いないか、常に見直しをしましょう。
人材育成方針を決める際には、以下の流れで内容を決めていきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
方針を決める際には、まず現場が抱える課題点を把握することが大切です。どんな課題があるかを知り、必要なスキルや知識、人材を確認しましょう。
現在持っている知識やスキルだけでは課題が解決されないなど問題が生じているなら、現場の声を参考にして今後必要だと思われるスキルに対応する研修や教育内容を決める過程に進みましょう。
次に、人材育成方針の目標を定めます。現状を把握したうえで、どのような取り組みができるかを考えていきます。
その際、前述したように現場社員を考慮した目標設定が大切です。現場の声を無視した目標は、社員の共感を得られず、不満を抱かせてしまうケースもあるので注意しましょう。
人材育成方針における目標の設定ができたら、経営戦略の見直しも行いましょう。3〜5年後にはどのような事業を展開していくのか、中期的な戦略を立てることが大切です。
経営戦略の見直しでは、企業の実績を踏まえて計画通りに進んでいるかどうかの調査や分析をします。バランスト・スコアカードやSWOT分析などを行い、策定時に定めた戦略の有効性を評価しましょう。
市場状況の変化に伴い、戦略の変更や再策定をすることになった場合、経営方針の見直しも必要となります。
経営戦略の見直しが完了したら、人事戦略を練っていきましょう。人事戦略とは、企業が定めた経営戦略の達成に必要となる人材や、育成面で必要となる戦略を意味します。
将来ITテクノロジーに強い組織を目指すのであれば、「ITに特化した人材の育成や確保」という人事戦略が必要です。戦略をしっかり練って目標を定めることが、優秀な人材の確保につながります。
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ここでは、人材育成方針を定めている自治体の事例をまとめました。これから方針を定めようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
大阪府池田市は、2022年11月に人材育成基本方針の改定を行いました。池田市は組織の活性化を図るため、育成方針を定めると同時に各種人事施策を実施しています。
目指す職員像は「市民とともに地域の課題を解決し、未来を創る職員」です。人材育成を通して組織と職員が成長し、将来的に優秀な人材が集まるという好循環を目指しています。
福岡県北九州市は、2022年3月に人材育成の制度見直しを行いました。女性職員が活躍できるようにライフワークバランスの推進を行いつつ、DX時代に向けた取り組みを実施すると発表しています。
人材育成方針を明確化した理由は、職員一人ひとりの作業効率アップと専門性の向上が主な目的です。目指すべき職員像や今後求められる役割・スキル、キャリア形成の流れなどを細かく設定しています。
ここでは、人材育成方針を定めている企業の事例をまとめました。これから方針を定めようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
トヨタ自動車は「モノづくりは人づくり」という理念のもと、人材育成に力を入れています。社員一人ひとりが「誰かのために、自ら考え、行動し続ける」という考えのもと、さまざまな方針を定めました。
方針実現のためには、周りに良い影響を与えられる「人間力」や、一緒に働く仲間を成長に導く「実行力」が必要です。最終的には、トヨタの看板がなくても活躍できる人材を育成することが目標となっています。
パナソニックは、世界中のお客様に貢献できるよう、日々成長し続ける人材の育成に取り組み続けると発表しています。性別や年齢、国籍を問わず多種多様な人材が活躍するためには、それぞれの力が発揮しやすい組織作りが必要です。
そのために、働きがいのある環境づくりに専念しており、グローバル人材の育成にも力を入れています。新たなキャリアに挑戦しやすくするための「キャリアクリエイト制度」を導入するなど、さまざまな形で個人をサポートしています。
サントリーホールディングス株式会社は、従業員一人ひとりの能力開発と発揮に主眼をおいています。それぞれの能力や役割に応じて結果を出した人には、成果に応じて処遇する賃金制度を設けているのが特徴的です。
また、人材育成では新人からマネージャー層まで受講できる階層別研修を用意しています。各階層ごとに求められるスキルを学ぶことができ、従業員一人ひとりのキャリア開発をサポートしています。
企業にとって理想となる人物像を明確にし、人材育成方針を定めることは、即戦力として働ける優秀な社員を確保するためにも欠かせない要素です。人材育成方針が定まっていない場合は、企業を成長させるためにも、早めに明確にすることをおすすめします。
本記事を参考にして、どのような人材を育てていきたいのかを考え、自社にあった育成方針の設定に取り組んでみてください。