エンジニアが活躍する鍵は、評価とキャリア選択の納得感。業界成長率No.1を誇るESES社が取り組む、エンジニアフレンドリーな環境づくり。

公開日:2023.11.07 更新日:2023.11.09

デジタル人材不足が嘆かれる昨今、エンジニアを中心に採用コストや離職率が高騰し、従業員のCAC・LTV(獲得コストと生涯付加価値)のバランスが大きく崩れた状況が見受けられるようになった。特に、クライアント先にエンジニアを常駐させて、さまざまな開発案件を手がけるSES(システムエンジニアリングサービス)には市場のエンジニアの七割が働いていると言われているが、報酬や評価基準の不透明性から人材の流動性が高く、慢性的な人手不足の問題を抱えている。2021年に設立されたESES(イーエス)はそんな業界の慣習を打破するべく数々のエンジニアフレンドリーな施策を実施し、常に優秀なエンジニアを抱えている。代表取締役 白川聖悟氏のインタビューを通じ、その成功の秘訣に迫る。

取材対象者

白川 聖悟

代表取締役社長

1990年生まれ。埼玉県出身。SES業界を「“良い“SES」にするために業界No.1の立ち位置を目指す、株式会社ESESの代表取締役。人材サービス事業を行うUZUZ(ESESのグループ会社)において、営業部長や支店立ち上げを経て、最年少で執行役員に就任した経歴の持ち主。現在は、経営業務だけでなく、営業や採用にも幅広く従事し、SES業界に革新を起こすために日々奮闘中。

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エンジニア業界の課題は、「報酬」と「評価」の基準が不明瞭であること

「SES業界の大きな課題は、エンジニアに対する報酬と評価基準が不透明であるということです。自分がどれだけの価値をクライアントに提供して、クライアントはどれだけの額を支払い、その何割が自分の報酬になるのかが極めて見えにくい。さらに、評価を下すのも実際に業務を見ているクライアントではなく、所属元の営業担当なので納得のいく評価を得られにくいという問題があります。」(白川氏)


報酬については業界の構造的な課題もある。SESはクライアントの業務を受託するいわゆる下請け構造なので、中間業者によるピンハネが利益の一部を食い潰しているというのだ。また、SESはプロジェクトごとにエンジニアをアサインするが、すべて会社都合で行われるため、常に希望する技術領域の案件に関われるわけではない。自分が得意ではない、志望しない開発言語の案件に数年間拘束されることもあり、長期的なキャリア展望を描きづらいという課題もある。


このような実態が業界のネガティブなイメージを生み出しており、将来はSES業界に限らずエンジニア全体が深刻な人材不足に陥ると予測されている。「2030年には79万人のエンジニアが不足するというデータもあります。これは介護業界よりも深刻な不足です。しかしこれは経験者と未経験者では大きく状況が変わります。未経験者を採用したいという会社は少ないですが、経験者になると引く手あまたといういびつな構造になっているのです。」(白川氏)


エンジニアは転職することで収入アップとキャリアアップが図りやすい職種である。営業職などは扱う商材が異なればノウハウも異なるので「転職=収入アップ」とはなりにくい。しかし、エンジニアとして学んだ言語の経験は、職種が変わろうとそのまま活かせるので転職による収入アップが図りやすいのだ。「人手不足の今は転職により収入が増える可能性はとても高いでしょう。自社の開発エンジニアでも自分の給与や業務内容に不満があれば、転職に踏み切るケースはよくあります。これらの理由からSES業界に限らず、IT業界全般で人材の流動性が活発になっています。」(白川氏)

報酬と評価の基準を明確化して、キャリアコーチングにも力を入れる

そういった厳しい環境下でESESは「No.1のSES会社になる」という目標を掲げ、エンジニアの労働環境の改革に取り組んでいる。「ESESでは他社との差別化を図るため、エンジニアの労働環境を大きく改善した施策を導入しています。具体的には、単価と連動した評価制度と、案件選択制度です。」(白川氏)。単価と連動した評価制度とは、クライアントから支払われる単価に基づいて報酬が決まる制度のこと。従来のSESではエンジニアの評価が不明瞭だったが、ESESでは単価という分かりやすい指標を導入することで客観的で明確な評価を実現している。そして、エンジニアの希望が反映される案件選択制度を導入することで、自身の展望に沿ったキャリアデザインが描けるようになった。仮に希望する案件に対してエンジニアのスキルが見合わない場合でも、コーチングやカウンセリングを行いキャリアの成長につなげていく。従来の会社都合で強制的に案件が決められるようなリスクは皆無だ。


ESESでは高還元率の報酬も実現している。「業界の平均還元率は平均して50%ですが、現在私たちはクライアントからいただく単価の77%(2023年10月時点)をエンジニアに還元しています。還元率は年々アップさせており、今後は80%まで上げていく予定です。もちろん具体的な報酬は事前にエンジニアに伝達しています。」(白川氏)


同社ではエンジニアのキャリアコーチングにも力を入れている。一般的なSES企業でもメンターが月一程度の面談を行うことはよくあるが、ESESでは営業担当者がエンジニアと密にコミュニケーションを取りながら、将来のキャリアに関する相談も承っている。いわば、クライアントに向き合うRA(リクルーティングアドバイザー)とエンジニアに向き合うCA(キャリアアドバイザー)を切り分けることなく同一の担当者が受け持っているわけだ。また、SES業界はエンジニアが個々の裁量で動くためどうしても横のつながりが生まれにくい。そこで、エンジニアたちの横の連携をつくるための交流会にも時間を割いている。

正社員としてエンジニアを雇うことで、業界平均以上の高収益を実現

クライアントから支払われる単価の70%以上をエンジニアに還元することで、会社としての利益率は下がらないのだろうか。人件費が高くなる分、会社としての利益は低くなると考えがちだが、むしろ利益率は業界平均よりも高いという。「僕たちは自社で正社員としてエンジニアを採用してクライアント先に常駐させているので、高い利益率を生み出すことが可能です。もしこれがフリーランスのエンジニアを起用したり、他社のエンジニアの営業を行ったりしたら利益率は大きく下がってしまう。ESESは常に高い利益率を生み出す環境を構築しているのです。」(白川氏)


ではなぜ他社で同じことができないのだろうか。他社との差別化を図るためESESが力を入れているのが採用活動だ。今の時代、求人サイトに広告を出しただけでは望む人材は集まらない。人材紹介サービスを利用するとさらに多額の費用が必要となるが、同社では20万弱の採用コストで優秀なエンジニアを確保しているという。しかも採用するのは経験者のみ。


「働きながら求職活動をするエンジニアのため、面接は夜11時まで行っています。平日も土日もです。一斉送信のスカウトメールは送らず、ひとりひとりに合わせた内容にカスタマイズすることで返信率も大きく向上します。エンジニアの採用率を高め、優秀な人材を定着させるために必要なのは、明確な報酬とキャリアサポートにあると僕は考えています。クライアントの単価と連動した報酬に、将来のキャリア設計をサポートする体制ですね。」(白川氏)


ESESには、以前大手企業で自社システムを開発していたエンジニアも在籍しているという。本人は開発の現場でソースコードを書いていたいのだが、上流工程にまわされてしまい自分の手を動かす機会が減ってしまった。そんな環境に不満を感じて転職を決意するエンジニアは多いのだという。


「今後はSES事業だけでなく、自社開発サービス、エンジニアの転職エージェント事業など、強みを生かして事業領域を拡大していく予定です。」(白川氏)


慢性的な人材不足に陥っているエンジニアの世界だが、業界の悪しき慣習を見直すことで高い採用率と定着率に加え、高い収益率を実現したESESの戦略からは多くのことが学べるだろう。

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