自社に合うタレントマネジメントシステムとは?導入メリットから比較ポイントまでを解説

公開日:2023.07.14 更新日:2023.07.14

企業による優秀な人材の確保および育成で注目を集めているのが、タレントマネジメントです。従業員一人ひとりの特性やスキル、これまでの経歴を可視化し、適材適所の人材配置を行うことで、企業の成長につなげていく手法になります。

実際にタレントマネジメントを行うには、タレントマネジメントシステムの活用が欠かせません。システムを導入することで、自社の人材の情報を一元管理でき、簡単に共有することが可能になります。

本記事ではタレントマネジメントシステムを導入するメリットから、比較ポイント、おすすめのシステムを紹介していきます。

タレントマネジメントシステムを導入するメリット

タレントマネジメントシステムを導入するメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 人材情報の可視化ができる
  • 戦略的な人材育成が行える
  • 適切な人材配置が行える
  • 適正な人事評価が行える

それぞれのメリットについて解説していきます。

人材情報の可視化ができる

システムを導入することで、自社に所属している全ての従業員の情報を可視化できます。従業員の勤続年数や職務経歴、保有スキル、資格などです。

タレントマネジメントシステムは人事システムとは異なり、給与や勤怠などの情報ではなく、人事戦略や経営戦略に活かせる情報が網羅的に確認できるのが特徴です。なお、従業員情報はセンシティブなものも含まれるため、アクセス権限の設定などリテラシーを保って運用していくことも大切です。

戦略的な人材育成

全従業員のスキルや経験が把握できるため、自社の人材の強みや弱みの把握につながります。強みが活かせる部署に配置できれば、生産性向上はもちろんのこと、従業員の成長や周囲の人間との相乗効果も期待できます。

強みと弱みを把握することで、客観的なデータに基づいた的確な教育体制を整えることも可能になります。

適切な人材配置が行える

タレントマネジメントの目的は、従業員のスキルを一元的に管理したうえで、スキルを最大限発揮できる場所に配置し、自社の成長につなげていくことです。システムを導入することで、今までExcelなどで管理していた人事情報の作成や、紙の資料で人材を探していた手間が大幅に削減されます。スムーズな管理や検索が可能になり、よりスピーディーかつ適切に、従業員の特徴を活かせる部署への人材配置を行えるようになります。

直感的に従業員をドラッグ&ドロップで動かして、シミュレーションすることが可能なシステムもあります。自社のリソースを最大限活用できるサポートとなり得る点が、システムを導入するメリットの一つです。

適正な人事評価が行える

従業員のスキルが可視化されるため、それぞれに合わせた最適な目標設定を与えやすくなります。客観的なデータに基づいた適正な人事評価が行えるようになり、従業員のエンゲージメント向上や離職防止にも役立ちます。従業員の情報はグラフやチャートのように表示ができるので、評価のフィードバックを行う際にも該当者に対してわかりやすく伝えられます。

また、従業員側も自分の強みや課題、自分がその部署に配置された理由が把握できるため、モチベーションの向上につながります。

タレントマネジメントシステムを導入するデメリット

タレントマネジメントシステムを導入するデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

  • 導入への工数や費用がかかる
  • システムを使いこなせないケースもある

それぞれのデメリットについて、解説していきます。

導入への工数や費用がかかる

システムを導入する際は、一定の工数や費用がかかります。従業員が多ければ、その分システムも大規模になるため、多くの工数や費用が必要となります。実際にシステムを導入するためにかかる工数だけでなく、スムーズにシステムを取り入れるためには従業員への周知なども必要です。説明会の開催やシステムを担当する従業員に対しての事前デモの実施など、余裕を持った準備が求められます。

システムを使いこなせないケースもある

システムを導入する際の見通しが不十分だと、導入後に機能を使いこなせず、期待したような成果につながらない場合があります。担当部署がシステムを運用しきれなかったり、自社には必要のない無駄な機能が多くあったりするといったケースです。

導入をする際は次章の比較ポイントを参考にして、自社に適切なシステムであるか、導入後に無理のない運用が可能かを確認して進めることが大切です。

なぜ、タレントマネジメントシステムを導入するのかを明確にしておくと、導入に失敗する可能性は軽減されます。

タレントマネジメントシステムの比較ポイント

自社に適したタレントマネジメントシステムを導入するためには、以下の3点を比較して検討することが大切です。

  • 必要な機能が備わっているか
  • 使いやすさは問題ないか
  • 費用対効果は優れているか

それぞれのポイントについて解説していきます。

必要な機能が備わっているか

タレントマネジメントシステムは多種多様なラインナップがあります。タレントマネジメントシステムとして特化しているものや人事システムと連動しているものなど、さまざまです。

そのため自社の課題はどのようなものか、課題を解決するためにはどのような機能が必要かを洗い出しておくことが大切です。たとえば自社の人事評価手法に対応できるか、レポートや分析機能は使いやすいか、育成計画を管理できるシステムが備わっているかなどです。

自社の目標達成のために必要な機能、不必要な機能を確認し、目的にあったシステムとなっているかを見定めましょう。

使いやすさは問題ないか

システムの使いやすさは業務効率に直結します。直感的に操作ができるか、必要な機能はすぐに呼び出せるか、管理画面は見やすいかといった点を実際に担当者にトライアルしてもらうなどして確認しておきましょう。

非常に優れた機能が備わっていたとしても、使いづらいシステムでは大きな効果は発揮されません。既存システムとの連携やレスポンスの速さなども合わせて確認しておくと良いでしょう。

費用対効果は優れているか

システムを導入する際、ほとんどの場合は初期費用とランニングコストがかかります。導入前にはランニングコストも含めた費用対効果を計算して、無理のない範囲のシステムかどうかを確認しておきます。

さらに導入支援や運用サポートの有無も大切なポイントです。どこまでの範囲をサポートしてくれるのか、サポート時間は自社の営業時間と合っているかなど、運用サポートの内容を確認しておくと良いでしょう。システムによっては専任のアドバイザーが、データの運用や分析をサポートしてくれるものもあります。

タレントマネジメントシステム3選

検討したいタレントマネジメントシステムを3つ紹介します。本章であげたタレントマネジメントシステムに加えて、他にも自社に適したものはないか探してみることも大切です。

  • HRBrain
  • HRMOSタレントマネジメント
  • カオナビ

 HRBrain

HRBrainは株式会社HRBrainが提供しているタレントマネジメントシステムです。自社の従業員のデータをクラウド上で一元管理できます。人事から従業員、経営層に至るまで、全社員が使いやすいUIになっており、顧客満足度が高いのが特徴の一つです。人材データ管理や配置シュミレーション、アンケート機能などから適材適所の配置を実現するサポートをしてくれます。

導入実績も2,000社以上を誇る、満足度の高いタレントマネジメントシステムです。

HRMOSタレントマネジメント

HRMOSタレントマネジメントは、株式会社ビズリーチが提供しているタレントマネジメントシステムです。現在の業務に関することだけでなく過去の職務経歴も簡単に把握できる点や、組織診断サーベイなどが搭載され、リアルタイムで組織の状態を把握できる点も強みです。

また、ビジネス上での利用者も増えている「Slack」や「Googleカレンダー」などの外部サービスと連携できる点は、従業員の利用しやすさにつながっています。

管理だけでなく分析にも優れており、平均勤続年数や退職者数の推移など自社の運用に合わせてレポートを洗い出し、人材配置の戦略に活用できます。

カオナビ

カオナビは株式会社カオナビが提供しているタレントマネジメントシステムです。導入実績は3,000社以上を誇り、直感的な操作でシステムを利用できます。

カオナビでは人材情報を従業員の「顔」で把握できるようになっており、組織図から該当者の顔をクリックするだけで人材情報を把握できます。人材配置のシミュレーションでも部署単位、年代単位などでカスタマイズできるため、最適な人材配置を考えやすい仕組みになっています。

目標管理制度や360度評価なども搭載されており、評価制度への対応も柔軟に行えます。

まとめ

タレントマネジメントシステムの活用により、客観的で効率的な人材活用が実現できます。人手不足が叫ばれる昨今において、自社の人材を有効活用することは、持続的な成長に欠かせません。自社に適したシステムを選定し、より良いタレントマネジメントを目指しましょう。

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