〜デジタル人材育成のエッセンスを学ぶ一日〜スキルアップNeXt社による「クライアントカンファレンス2023」セミナーレポート

公開日:2024.04.05 更新日:2024.04.16

様々な業種業界に向けて、デジタル人材育成の法人プログラムを提供している株式会社スキルアップNeXt(以下スキルアップNeXt)。提供先は750社を越え、実務で活躍する人材育成に定評があります。
2023年12月19日、スキルアップNeXtは東京ステーションホテル「鳳凰」の間において「スキルアップAI クライアントカンファレンス 2023」(以下クライアントカンファレンス 2023)を開催しました。基調講演をはじめ先進的な取組み事例の共有やスポンサー企業のサービス紹介ピッチなど多角的な視点でデジタル人材育成のエッセンスを学べる場として企画されたカンファレンスの模様についてお伝えします。さらにカンファレンスに登壇した合同会社DMM.comによる講演「DMM.comのAI導入の実態と展望」について詳しくお伝えします。


2023年12月19日に開催された「クライアントカンファレンス2023」はスキルアップNeXtのお客様やスポンサー企業様に参加者を限定したクローズドのカンファレンスとして行われました。

「クライアントカンファレンス2023」の概要について

2022年に開催された前回のカンファレンスに続き、今回は2回目の開催となりました。2023年のカンファレンスでは、登壇した各社からデジタル人材育成のエッセンスの発表があり、先進的な知見の共有や学びの場として45社が参加して行われました。参加企業間のネットワーク作りの場として懇親会も開催され、活発な意見交換と懇親が行われました。

「クライアントカンファレンス2023」のプログラム

今回のカンファレンスでは全体で12のプログラムが行われました。そのうち3つの内容に絞りご紹介します。

基調講演は、デロイトトーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナーである森 正弥氏から「日本企業がDX推進や先端技術導入を成功に導くために大切なこと」をテーマに行われました。


「DXはシステム、プロセス、組織、文化をアップデートする全社変革であり、単純なIT化や改善の積み重ねではなく、未来の姿からのバックキャストで変革するものである」
「人材の確保においては、外部人材ばかりに目を向けず、内部人材の活用こそが大切。人材の識別だけでなく、内部人材に活躍機会を提供できるかどうかが鍵」といった内容に、参加者からは「日本企業のデジタル人材育成の状況や危機感について具体的な説明があり、社内のDX推進について、やる気が出た」「会社自体をデータドリブンカルチャーに変える事が重要である点、勉強になりました。」といった声があがりました。

続いて取り上げるのは「DXリーダーズ・セッション」です。現場で人材育成の推進を担うリーダーの方々に登壇いただき、「リーダーたちの本音トークと人材育成のエッセンスサマリ」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。


今回のセミナーに先立ち、スキルアップNeXtは2028年8月に「DX Leaders Meeting」を開催しました。デジタル人材の育成を現場で主導するリーダー14名が3つのテーマに対し、各社の課題や具体的な取り組み事例を共有しながらディスカッションを行い、参加者からは好評を博しました。


今回の「DXリーダーズ・セッション」は、夏の「DX Leaders Meeting」に参加した江崎グリコ株式会社の田中弓雄氏、株式会社SUBARUの斎藤 誠氏が登壇。スキルアップNeXt 取締役COO福島 昌吾氏がモデレータを務め、夏に開催した「DX Leaders Meeting」の振り返りながら、「若手の研修、ベテランの研修、ターゲット層による工夫はしていますか?」など、新たなテーマについてディスカッションを行いました。


同じく人材育成の推進を担う参加者にとって、参考になる具体事例が多く「きれいごとだけでなく、泥臭い部分も含めた生の声がきけて良かった」「自社のDX推進や人材育成に関する施策に活用できると感じた。」といった声も見られ、参加者アンケートでは「参考になった」の回答が86 %にも上りました。

企業講演では、2社からデジタル人材育成の取り組みについて講演が行われました。


合同会社DMM.com(以下DMM.com)による講演「DMM.comのAI導入の実態と展望」ではAI導入とAI人材育成に関して説明がされました。こちらの内容については次章で詳しくレポートします。

DMM.comのAI活用状況と人材育成について

ご登壇いただいたのはDMM オペレーションズ本部統括部長 AI Operation推進室 室長 長崎 拓海氏 です。
DMM.comのオペレーションズ本部の統括責任者として業務改善とプロジェクトリード、プロジェクトマネジメント並びに AI Operation推進室 室長として全社におけるAIの運用を推進しています。


今回は「DMM.comのAI活用状況と人材育成について」をテーマに、AIへのアプローチとして、以下4つの観点でお話しをいただきました。


1.E2Eの業務プロセスをAI使って改善
2.業務プロセスの一部を代替するAIの仕組みの開発
3.AI人材開発
4.生成AI普及による全体の底上げ


本レポートでは、特に3と4について、お伝えします。


3.AI人材開発


「人材開発には長い期間が必要なため、段階的なハンズオンのトレーニングを進めています。スキルアップNeXtさんの『AI基礎講座』を活用し、生成AIだけではなく他のAIも含めた広範な知識装着を行っています。さらにAIプロジェクトプランニング研修によって、プロジェクトリードができる人材の育成を目指しています。プランニングコンテストを行ない、1位のプランに対しては実証実験に必要な費用を提供するなど、インセンティブを設けています。


『AI人材として誰を育成すべきか』といった点については、生成AIをきちんと利活用している人間から選出しています。選出の基準は雇用形態を問いません。1日あたり生成AIに『何トーク消費したか』といったトーク数に基づき、公平に判断しています。 加えて自薦です。AI人材の育成は、興味をもつ人にやらせた方が成長が早いです。一方で中には実力が伴わない人もいるため、AIの利用実績によって見極めています。


4.生成AI普及による全体の底上げ


このアプローチには以下の3つのポイントが含まれます。


1つ目のポイントは『テキスト生成AIの業務への導入』です。こちらは2023年7月から利用を開始し、グループ会社含めて3,900弱のアカウントを払いだしています。毎日利用されるアカウントが約10%、週に数回利用が約22%です。弊社ではテキスト生成AIとして『Algomatic社』の『シゴラクAI』を利用し、モデルは最新のGPT4-Turboを利用しています。

2つ目のポイントは『ユーザーの分類ごとにアプローチする方法』です。この方法はAIの利用頻度別にユーザーを定義し、ユーザーの職種と職能に分類します。分類ごとに仮説を立ててアプローチしています。分類は5階層のピラミッドであり、上位からヘビーユーザー、アクティブユーザー、休眠ユーザー、幻滅ユーザー、無利用ユーザーとなっています。休眠ユーザー、幻滅ユーザーの利用率をいかにして高めるかが、課題です。

3つ目のポイントは、各部署にエバンジェリストを立て、コミュ二ティの形成を図ることです。また、エバンジェリストの成果評価のためにKPI設定と評価基準や測定方法の開発を行っています。1人のエバンジェリストに対して1つのSlackチャネルを用意したり、エバンジェリストの活動に対して定量的な評価を行ったりしています。さらにエバンジェリストの役割の明確化やナレッジシェアリング、モチベーションの向上を目指す報酬制度の実装も行っています。」


関心が高まっている「生成AI活用の社内浸透」について、皆、熱心に聞き入っていました。

まとめ

すべてのセッションが終了後、東京ステーションホテルの「鳳凰」の間において懇親会が開催されました。DXを推進するため人材育成に取り組み、それをリードするお立場同士、活発な情報交換が行われ交流を深めていました。今回のカンファレンスを担当したスキルアップNeXtの中村景子氏は「人材開発のエキスパートによる基調講演や先進的な事例共有からはもちろん、リアル開催ならではの参加者同士の交流も含め、デジタル人材育成のエッセンスを得ていただきたい。今後も組織構築支援パートナーとして、こういった場を積極的に主催します。」と話していました。


参加者からも「ご登壇企業のお話しが興味深かったうえ、参加企業同士の交流も活発におこなえ、今後自社でDX推進するにあたっての励みになった。」「各セッションは非常に参考になった。いくつかの気づき、学びはすぐに我々の検討に活かすことが可能であり、参加させていただいて非常に満足しております。」
といった声があがり、次回開催を望む声が多く聞かれました。

スキルアップNeXt株式会社|成果につながるDX・AI人材育成プログラム

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