考えすぎず、まず行動。「docomo academy」をきっかけにたどり着いた、日本を元気にする「推し活体験サービス」

公開日:2024.04.02 更新日:2024.04.02

社員の「学び」に力を入れるドコモグループは、一歩踏み出す勇気を育む企業内大学「docomo academy」を、2020年から毎年開校しています。年齢、性別、役職に関係なく、グループ社員であれば誰でも参加可能で、受講者は半年間かけて、自分が本気で取り組みたい事業案をつくります。多様なジャンルの著名人による外部講師講話、メンターとの壁打ち、役職・年齢・性別を完全シャッフルしたクラス制など、新しい刺激や気づきを得られるプログラム設計です。 2023年度のdocomo academy参加者である町田 侑芽さんに、プログラムに参加した背景や事業開発スキルのリスキリングについて、考えをお話いただきました。


プロフィール

町田 侑芽

2019年4月、新卒で株式会社NTTドコモへ入社。株式会社ドコモCSの東京支店へ配属され、ドコモショップ向けルート営業に従事。2022年7月より、同社チャネルビジネス部へ異動。代理店総括担当を務め、全国のルート営業に向けた研修・育成の設計から運営までを手がける。2023年10月からdocomo academyに参加。「推し活」をテーマにした事業案を検討中。

docomo academyなら、やりたいことが見つからないモヤモヤを解消できるかもしれない

――まずは、ご経歴についてお聞かせください。


私は2019年に株式会社NTTドコモに新卒入社をしました。最初に配属されたのは、株式会社ドコモCSの東京支店で、東京23区にあるドコモショップへのルート営業を任されました。2022年7月からは、チャネルビジネス部へ異動し、日本全国に在籍するルート営業の育成に携わっています。育成計画立案、研修の企画・運営、トークルスクリプトの作成など、業務内容は多岐に渡ります。


――docomo academyに参加した背景を教えてください。


正直なところ「面白そうだから」が一番の理由です。

実は私は営業時代、精神系疾患にかかり長期休暇を取ったことがあります。 原因はさまざまで、SNSで知った同世代の活躍に嫉妬して勝手に苦しくなったり、コロナの流行で出社できずコミュニケーションを取りづらくなったりしたことが大きな要因でした。そのような経験もあり、周りの人よりも体が弱いと感じていて、普段からセーブして仕事をこなすようになりました。とある研修で「町田さんはどんなことに興味があるの?」と聞かれたとき、答えられず、自分でも自分のことがわからない状態でした。

言いようのないモヤモヤを抱えていたとき、docomo academyの存在を知り、なんとなく説明会に参加しました。そこで学長からの「やりたいことがわからない人は、docomo academyに入ればいい」というメッセージを 受けて、ここなら私のモヤモヤを晴らす、ヒントがもらえるかもと思ったのです。

外部講師の言葉で気づいた、自分のやりたいこと

――docomo academyに参加を決めてから、今 に至るまでにどのようなフェーズの変化がありましたか?


受講前は、立派な志をもつ受講生ばかりで、ついていけるのか不安でした。自分で自分が何をしたいのかすらわからないのに、事業案なんてつくれるだろうかと思っていたのです。

しかし、docomo academyが開講してすぐの、AuB株式会社の代表取締役、鈴木啓太さんの話を聞いて、「アカデミーって楽しいかも」と思えました。鈴木さんは「いまを生きる」というテーマで、自身の体験談を交えながら、どのように自分のやりたいことを見つけるのか、話してくださいました。

印象的だったのは、鈴木さんは最初からサッカーがうまかったわけではないことです。うまくなるきっかけになったのは、母親から「サッカーをしている啓太はすごくいいね」と言われたことでした。そのとき感じた喜びを支えに厳しい練習を乗り越えたのだそうです。私は、てっきり自分にはやりたいことなんてないのだと思っていましたが、鈴木さんの話を聞いて「そんな理由で、やりたいことを決めてもいいんだ」と、心が軽くなりました。

その後、メンターと一緒に自分の興味関心について掘り下げるなか、「町田さんは、推し活について話しているときが一番楽しそうだね」と言われ、ハッとしました。もしかしたら、鈴木さんにとってのサッカーが私にとっては推し活で、推し活に関する事業なら、夢中になれるのではと思ったのです。

メンターと相談を重ね、たどり着いた「推し活体験サービス」

――そこから「推し活」をテーマにした事業について、構想を練り始めたのですね。


そうですね。私自身どのような事業の可能性があるのか、わかっていませんでしたが、立ち止まっていては何も始まらないと思い、いろいろな人からフィードバックをもらいながら、事業案をつくっていきました。

最初に目をつけたのは音楽ライブチケットの不正転売でした。どうすれば解決できるのか、普段よくライブに行く人やチケット販売会社の人にヒアリングをし、必要なサービスのかたちを模索しました。ただ、ヒアリングを進めるほどに、解決するにはそれなりのお金、設備、人が必要で、スタートアップ的なアプローチの場合、サービスをつくりきることは難しいという結論になりました。中間発表での手応えが悪かったことも大きく、別の方向性を模索することにしたのです。

何度もメンターに協力してもらいながら、あらためて自分のやりたいことと向き合うなか、自分が過去に精神疾患にかかっていたことを思い出しました。他者と自分を比べてネガティブな精神状態になってしまう症状は「クォーターライフクライシス」と呼ばれ、そのダメージを受けている人は世界中に存在するそうです。私の場合、そのような苦しみを和らげてくれたのが「推し活」でした。

自分の体験を、今まさに苦しんでいる人に提供するようなサービスをつくれないだろうかと考え、思いついたのが、空いている時間に空席のあるアーティストのチケットが取れる「推し活体験サービス」です。詳細は、今まさに詰めているところで、docomo academy内のコミュニティや自分自身のSNSを通じて協力者を募り、ユーザーヒアリングをおこないながらブラッシュアップをしています。ありがたいことに、思っていたより多くの方からご協力をいただけ、サービスに対する手応えを感じています。

チャンスに飛び込むことで道は拓ける

――docomo academyがテーマとして掲げる「イノベーション」「変革人材」において、プログラムを通して得られたことについて教えてください。


大きく2つで、1つ目は「とにかくチャンスに飛びついてみれば道が拓ける」という学びです。私はもともと、無駄にあれこれ考えて行動に移せない、素直になれないタイプでした。それが、多くの実践者の話を聞くなかで、素直に周りの人からの提案を受け入れるべきだと思えるようになりました。その結果。「今だ!」と思ったとき、ためらわずに飛び込めるようになりましたね。

2つ目は、発信の重要性について学べたことです。自分がやりたいことを実現させるには周りからの協力が必要です。docomo academyの期間中には、講師、同期、メンター、ディレクターの方々に自分のことを知ってもらうためにnoteを書いており、そのおかげで助けてもらえました。私にとって自己開示は照れ臭く、怖いものでもありました。ただ、講師の方々からの「どうせみんなすぐ忘れるんだから」という言葉に勇気をもらい、挑戦して本当によかったと思っています。


――事業開発分野でのリスキリングを考えている方に、アドバイスをお願いします。


とにかく「行動に移す」が一番おすすめです。私自身、目の前のチャンスに思い切って飛び込んだことで道が拓けました。新規事業づくりの経験はまったくありませんでしたが、これまで40人以上の方にヒアリングをさせていただき、どんどんかたちが見えてきました。何が正解かわからなくとも、とにかく動き続けることが一番重要だと思います。


――最後に、今後の展望についてお聞かせください。


引き続き、「推し活体験サービス」づくりに取り組みたいと思っています。docomo academy自体は2023年10月から始まり、2024年3月には終わってしまいます。その先、事業を続けるかは当人次第で、私の場合は、どのようなかたちであれサービスのリリースを目指して続けるつもりです。

推し活体験サービスは、今を一生懸命生きる人にとって救いになる可能性があります。大袈裟な言い方をすると、日本を元気にするサービスでもあると信じています。docomo academyで学んだマインドをベースに、事業づくりに必要な勉強や人脈づくりなど、自分にできる行動を続けたいです。

おすすめの
パートナー企業