「docomo academy」を通して「行動力」と「仲間」を手に入れた。システムエンジニアが挑む、新規事業づくり

公開日:2024.04.02 更新日:2024.04.02

社員の「学び」に力を入れるドコモグループは、一歩踏み出す勇気を育む企業内大学「docomo academy」を、2020年から毎年開校しています。年齢、性別、役職に関係なく、グループ社員であれば誰でも参加可能で、受講者は半年間かけて、自分が本気で取り組みたい事業案をつくります。多様なジャンルの著名人による外部講師講話、メンターとの壁打ち、役職・年齢・性別を完全シャッフルしたクラス制など、新しい刺激や気づきを得られるプログラム設計です。 2023年度のdocomo academy参加者である西岡 瞳さんに、プログラムに参加した背景や事業開発スキルのリスキリングについての考えをお話いただきました。


プロフィール

西岡 瞳
2017年4月、NTTコミュニケーションズ株式会社へ新卒入社。ソリューションサービス部へ配属され、 大企業向けSaaSシステム導入を担当。2019年6月よりデジタル改革推進部 情報システム部門へ異動。 社内向けシステム開発・運用に従事する。2023年10月からdocomo academyに参加。社会人のための海外研修をテーマにした事業案を検討中。

前年度参加者から勧められ、docomo academyへの参加を決めた

――まずは、ご経歴についてお聞かせください。


2017年4月、NTTコミュニケーションズ株式会社にシステムエンジニアとして新卒入社しました。2年ほど大企業向けSaaSシステム導入を担当し、その後はデジタル改革推進部 情報システム部門へ異動し、社内向けのシステムの開発や運用をおこなっています。


――docomo academyに参加した背景を教えてください。


きっかけは前年度のdocomo academyに参加した同期からおすすめされたことです。その人はプログラムがきっかけで自分のやりたいことに気づき、今はサウナで熱波師としても働いている人です。自分のやりたいことに向かって一生懸命な姿を近くで見て、私も彼のように熱中できるものを見つけたいと思い、参加を決めました。

今の仕事に熱中できていないわけではありません。私としては一生懸命仕事に向き合っているつもりです。ただ、自分の家にサーバーを買って構築したり、休みの日も本を読んで勉強したりというレベルの熱量は持てていないのです。そのような自分が、大好きなことを仕事にしている人と勝負をしても、勝ち目はないと思っていました。自分にとっての熱中できる分野を見つければ、今よりもさらに幸せに生きられるのではと考えていたのです。

学長、講師の言葉で気づいた、自分のやりたいこと

――docomo academyに参加を決めてから、今に至るまでにどのようなフェーズの変化がありましたか?


プログラムがスタートして最初の1ヶ月ほどは学長や講師の方々の言葉に刺激を受けるフェーズでした。自分の中に問いを立て、自分は今のままでいいのだろうかと考えるようになりましたね。

どの講師の話も印象に残っています。たとえばAuB株式会社代表の鈴木 啓太さんの「自分自身がドリームキラーにならないように」という話はよく思い出す言葉です。鈴木さんは幼少期にサッカー選手になると決め、そのために何をすればいいのかを逆算して実行に移していったそうです。その結果、実際に夢を実現した鈴木さんの言葉には説得力がありました。

また、学長から直接言われた内容も印象的でした。「人生なんかあっという間に終わってしまう、西岡さんならもっとできると思います、もったいないですよ」といった言葉でした。まだ何も自分のやりたいことは見えていませんでしたが、とにかく行動しなきゃと思い、まずは興味のあったダンス領域で事業案を考えることにしました。

メンターの方に相談をしながら事業を組み立てるなか、途中で「なぜ西岡さんがやるのか」という質問に答えられないことに気がつきました。今思えば理由なんて、なんでもよかったのだと思います。ただ、docomo academyの同期たちが自分のやりたいことについて力強く語る様子を見て、同じように語れていない自分に気がついたのです。自分の本当にやりたいことは別にあるかもしれないと思い、紙に書き出したり、人と話したりしながら思考を整理していきました。

1ヶ月ほど内省に費やしましたが、これだというものは自分の中から出てこず、焦りを感じました。そのような状況を抜け出せたのも学長からの言葉がきっかけでした。「本当にやりたいことが最初に見つかることはない、まず行動してその後についてくるもの」と言われ、考え込みすぎずワクワクすることを探してみることにしたのです。その結果、これまで考えていた方向性とはまったく違いますが、「私は海外に行って人生が変わった。同じような体験を誰かにも提供できないだろうか」と考え始めるようになりました。

社内外の有識者に話を聞きながら事業構想をブラッシュアップ

――そこからは「海外旅行」をテーマにした事業案について、構想を練り始めたのですね。


「旅行」というよりは、「研修」に近いかもしれません。

私は昔から内省が好きで、本を買ったり研修に参加したりしていましたが、自分の成長を実感することは少なかったです。しかし、学生時代のフィリピンへの留学は自分の価値観を大きく変えてくれました。これまでの自分の当たり前が崩れるような衝撃で、どのような内省よりも私の人生を変えてくれる出来事でした。社会人が気軽に参加でき、かつ価値観を変えられるような体験ができる、海外研修プランはつくれないかと考え、新しい軸で事業案を練り始めたのです。

明確に自分のやりたいことが言えるようになってからは、これまで立ち止まっていたぶんを取り戻すように、行動をし続け、多くの人に話を聞きました。社内だけでなく、自分の考えているサービスに近い取り組みをすでに始めている企業の社長にも、DMを送って話を聞きに行きました。

ヒアリングを通して、海外にハードルを感じている方が多いことを実感したため、そのハードルを極力低くしながら、価値ある海外体験にするようなWebサービスを考案し、その検証のために出発の前日に行くことを決め、2泊3日で韓国に行ってきました。
結果として、同行してくださった方の満足度が高かったので、今後も「社会人向けの海外での越境体験提供」という軸は変えずに、事業案を詰めたいと思っています。

docomo academyを経て、自分の「受け身さ」に気づけた

――docomo academyがテーマとして掲げる「イノベーション」「変革人材」において、プログラムを通して得られたことについて教えてください。


多くの学びを得ました。なかでも、行動の大切さに気づいたことが大きかったと思っています。

私は自分が本当にやりたい事業にたどり着くまでに、いろいろなフェーズを経験しました。結局、そのすべてで求められていたのが行動でした。周りの目を気にせず、思いついたことを行動に移す癖がついて、docomo academyに参加する前と比べると行動の幅が圧倒的に広がったと思っています。以前の私だと興味のあることに取り組んでいる人に、SNSを通じていきなり連絡をするなんて考えられませんでした。

また、仲間の大切さに気づいたことも大きかったと思います。
docomo academyに参加をしたことで、同じ志をもつ仲間と出会えました。とくに私の場合はメンターの方によくしてもらって、お尻を叩いてもらったり、夜遅くまで構想づくりを手伝ってもらったりしました。docomo academyが終わっても、築いた人脈は財産として残り続けると思います。


――事業開発分野でのリスキリングを考えている方に、アドバイスをお願いします。


社外の方と話す機会を自分でつくることが重要だと思います。社内だけだとどうしても視野が狭くなり、新しい発見が起こりづらくなると思います。実際に自分が考えている領域と近しいところで事業を営んでいる方や、新規事業立ち上げの経験がある方と交流の機会を持てると、やるべきことがさらに明確に見えてくるのではないでしょうか。


――最後に、今後の展望についてお聞かせください。


引き続き、事業案の実現に向けて行動を続ける予定です。

正直、本当にサービスを利用してくれる顧客がいるのか自信を持てず、docomo academyが終わったあとに続けるか悩んでいました。しかし、海外へよく行くメンターから「顧客はいると思います、私も参加したいです!」と言ってもらえて、その言葉が背中を押してくれました。どのようなステップで事業開始までたどり着くのかまだ見えていない部分も大きいですが、社内の新規事業コンテストに応募し、うまくいけばそこから事業化を狙うつもりです。

docomo academyに参加して、いかに自分がこれまで会社に対して受け身でいたのかに気づきました。自分のキャリアをよりよくするのは自分次第です。考えすぎず行動量を増やし、能動的にキャリアを切り開いていければと思います。

おすすめの
パートナー企業