リスキリング事例

株式会社三菱UFJ銀行

業種:
銀行
従業員数:
20000人以上 /単体28,843人(三菱UFJフィナンシャル・グループにおいては135,049人) ※2
取得スキル・育成職種
デジタルスキル、金融のプロフェッショナルスキル、グローバルスキル、マネジメントスキルなど
受講者・対象者
三菱UFJ銀行国内グループ企業に在籍する全従業員
公開日:2023.07.14 更新日:2023.07.26

プログラム概要

❶MUFG University
・変化が激しい環境で変革をおこなう経営人材を拡充するため、2018年度に創設する
・「次世代リーダーコース」と「マネジメントコース」の2コースにより、価値創造を担う次世代の経営人材の育成を目指す

❷デジタル人材育成
・行員全員に対してデジタルリテラシーの教育とDXのコア人材の専門スキル教育を実施する
・中核人材育成や中核人材候補育成プログラムなどを階層別に実施し、各ポジションに必要な人間力やスキル・専門性を高める※4

❸キャリアチャレンジ制度 
・社員一人ひとりの「成長と戦略」や「自律的キャリア形成」を後押しする
・「Job Challenge」「新事業提案制度」など、グループ内でさまざまなプログラムが用意されている

❹グローバル人材の育成
・海外採用社員に対してはMUFGの一員として働きやすいよう、MUFGカルチャーを浸透させるための研修を充実化し、日本をはじめ採用国以外でのOJTを活性化させている
・グローバル共通のタレントマネジメントの枠組みの下、地域や機能を横断するコミッティーを開催し、タレントレビューやサクセッションプランニングを行っている※3

背景

リスキリングの背景
社会環境・競争環境は激しく変化しており、変化に対応できる人材の育成が求められる。 ※3
スマートワーク、デジタルシフトを軸とした業務効率化・生産性向上により、付加価値の高い業務に人材をシフトしつつ、社員一人ひとりがより高いパフォーマンスを発揮していくことが求められる。 ※3
経営計画、中期目標との対応など
中期経営計画では、2021年度〜2023年度までを「挑戦と変革の3年間」と位置付け、環境変化に応じたビジネスモデルを作り上げることによりROE改善を目指すとしている。 ※6
主要戦略は「企業変革」「成長戦略」「構造改革」の3つ。なかでも「企業変革」にはDX推進やグローバル統合などが含まれる。 ※6
DX推進はデジタル人材の確保や育成、デジタル技術の活用、デジタルプラットフォームの構築をおこなう。 ※6
グローバル統合ではグローバル人材の育成や活躍促進、グローバル統合型運用モデルの導入、グローバルガバナンスの強化を推進する。 ※6

成果

リスキリングの成果
MUFG Universityはこれまで700人以上の社員が受講(2018年度:196人、2019年度:220人、2020年度:192人、2021年度:171人) ※3
デジタルスキル認定制度では、2021年度にゴールドスキル認定者が1,633名 ※3
2021年度にはキャリアチャレンジ制度「Job Challenge」に前年度の3倍を超える応募この中には2021年度に本格展開を始めた「社内副業」へ挑戦した社員も160名超含まれている ※3
マネジメントとして活躍する海外採用社員の数は増加。銀行では女性2名を含む計10名が執行役員となった ※3

設計フェーズ詳細

プログラムの詳細
❶MUFG University ※3
・三菱UFJグループ共通の人材育成プログラム。経営人材に必要とされる高い視座や環境変化を予見する能力を備えることを目標としている
・実践力強化型の「次世代リーダーコース」とリベラルアーツを含むアカデミックな「マネジメントコース」の組み合わせで実施を進める。

❷デジタル人材育成 ※3
・デジタル化を伴う社会環境の変化へ対応できる人材を育成する
・「階層別の育成プログラム」「デジタルスキル認定制度」「デジタル教育環境の整備」などを実施 ※4

❸キャリアチャレンジ制度 ※3
・社員一人ひとりの挑戦や自律的なキャリア形成を後押しする
・多様な経験を重ねるための枠組みでグループ内外でさまざまなプログラムを備える
●プログラム例:Job Challenge「具体例:国内支店長ポストへの公募、銀行内での副業制度など」
●プログラム例:新事業提案制度「具体例:社員からの新事業提案・業務改善の提案から実現・推進までを担う機会の提供」
●プログラム例:オープンEX「具体例:スタートアップ企業をはじめとした外部企業への出向機会の提供」
●プログラム例:Challenge Leave「具体例:起業、留学・資格取得、公的活動などへの挑戦のために一定の休業期間を認める制度」
●プログラム例:キャリアイニシアティブセミナー「具体例:人生100年時代を見据えて中堅社員の中長期の自律的キャリア形成をサポート」
●プログラム例:海外社員向けの異動制度「具体例:社内空きポストへの応募、3か月のOJTプログラム、期間限定の海外異動など」

❹グローバル人材の育成 ※3
・多様なプロフェッショナルを採用・育成するため、国内外において「MUFGで働きたい」と思われるような企業ブランドの醸成を目指す

グローバル人材育成への取り組みとして以下の例があげられます。
●人事プラットフォームの共通化:タイトルマネジメント、評価・報酬決定プロセス、人事システムなどを共通化し、社員の活躍機会を拡大する
●Global Leaders Forum:リーダーとして必要な知識や、グローバル視点での考え方や見識を深める研修をおこなう
●Three-month Intensive Program:海外拠点の社員は3ヵ月間にわたり他地域部署への出張形式のOJTに参加できる
●語学学習:オンライン英語レッスン費用を会社負担にて受講できる制度や、TOEIC(IP)テストの団体受験を年4回実施する
期間
eラーニング、OJT、階層別研修、業務別研修、自己啓発支援、資格取得支援 ※3
受講後の動き
❶MUFG University 
MUFGの変革をリードする経営人材として活躍する

❷デジタル人材育成 
目まぐるしく変化する環境変化のなか、デジタル化や業務効率化を推進できる

❸キャリアチャレンジ制度 
多様な経験を重ねた結果、自己の成長やキャリア形成を行える

❹グローバル人材の育成 
異なる国・地域のさまざまな人材と協力し、リーダーシップやグローバル視点を持って業務に取り組める※3
講義形式
eラーニング、OJT、階層別研修、業務別研修、自己啓発支援、資格取得支援 ※3

運用フェーズ詳細

動機形成(公募や選抜などをふやす工夫など)
外部資格取得支援(最大90万円を3年間で支給)※7
デジタルゴールドスキル認定などの社内称号付与 ※3
リスキリングに最大10万円支給 ※8
環境整備(現場業務への負担、上司理解など、学習環境を整える工夫など)
上司・部下間のコミュニケーションを活性化させることを企図した「1on1ガイドブック」「キャリア面談ガイドブック」の展開 ※3
若手育成の為の指導担当者制度およびメンタリング制度の拡充 ※3
フィードバック面談を実施し、今後の業績達成・能力開発に資する強みや課題を伝え、納得感・客観性を持たせながら、業績向上・キャリア形成を後押し ※3
女性・若手・シニア等の多様な人材がこれまで以上に活躍できる評価・処遇制度を整備 ※3

実践フェーズ詳細

実践環境整備(受講後の実践環境の整備の工夫など、社内制度など含む)
教育研修関連費用:約30.9億円(うちデジタル研修費約5.4億円) ※3
デジタルスキル認定:中計3年間で総額12億円投資(2021年度のゴールドスキル認定者1,633名) ※3
スマートワーク関連投資:45億円 ※3
社内コーチング、1on1ガイドブック:役員・社員の階層別のコーチング、上司・部下による30分/月のコミュニケーション ※3

施策のKPI、評価指標など

評価指標
業績:全社員が期初に課題を設定し、通年での達成度を振り返り、行動やプロセスなどを含めて評価
能力:さまざまな能力の項目を設定し、多面的に評価

また部下や同僚、関係部署等の関係者によるさまざまな角度からの観察により、対象者のマネジメントとしての資質や「強み・課題」等に関する気づきを与え改善を促す360度評価を実施している。※3

参考情報

https://www.bk.mufg.jp/kigyou/profile.html
https://www.mufg.jp/dam/ir/report/disclosure/pdf/2023half-data04.pdf
https://www.mufg.jp/csr/social/hr/02/index.html
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01050/110100001/
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00346/122100002/
https://www.mufg.jp/profile/strategy/index.html
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05800/
https://www.sankei.com/article/20230327-XAL3T2XL7RKXZJJ4XA2OYHQ6CQ/