エンゲージメントとは?従業員満足度・ロイヤリティ・モチベーション・コミットメントとの違いを徹底解説。

公開日:2023.06.27 更新日:2023.11.06

1エンゲージメントとは

エンゲージメントという言葉は、もともとフランス語の「engagement」から来ており、英語では「commitment」や「involvement」などと同義で使われることが多いです。ビジネス全般において、エンゲージメントは、顧客やパートナー、従業員などが企業やブランドに対してどれだけ熱心に関与しているか、また、その取り組みにどれだけ情熱を持っているかを示す概念です。

人事用語としてのエンゲージメントは、従業員が自社やチームに対して感じる熱意や情熱、その企業の目標やビジョンに対する関与度を示す概念で、組織内の従業員がどれだけ自分の仕事に対して情熱を持っているか、また、組織の目標達成に向けてどれだけ努力しているかを示す指標となります。エンゲージメントが高い従業員は、積極的に仕事に取り組み、自社の成功に貢献しようと努力する傾向があります。一般的にエンゲージメントの高い組織は、生産性や創造性が高まり、離職率が低くなります。

2ロイヤリティ、従業員満足度(ES)、モチベーション、コミットメント、マインドセットなどとの違い

エンゲージメントと類似した言葉として、ロイヤリティ、従業員満足度、モチベーション、コミットメントなどがありますが、それぞれに違いが存在します。

ロイヤリティ・従業員満足度(ES)

ロイヤリティは、従業員の企業に対する忠誠心を指し、主に上下の関係性に焦点を当てた概念です。一方、従業員満足度は、労働環境や福利厚生、人間関係など、企業から提供される要素に対する評価を表します。これらと異なり、エンゲージメントは企業と従業員が互いに関与し、絆を強化する双方向の概念です。

モチベーション

モチベーションは、従業員の行動を引き出すための動機であり、「やる気」に相当します。エンゲージメントは、従業員がすでに自発的に熱意を持って取り組んでいる状態を指します。モチベーションが高い従業員が、必ずしもエンゲージメントが高いとは限りません。

コミットメント

コミットメントは、従業員が業務を遂行する責任感を指しますが、エンゲージメントは従業員が自発的に行動している状態を表します。コミットメントは結果の達成に重点を置いているのに対し、エンゲージメントは従業員の熱意や思いやりを考慮します。

マインドセット

マインドセットは、従業員の考え方や態度を指しますが、エンゲージメントは従業員が組織に対してどれだけ情熱を持って取り組んでいるかを示す指標です。マインドセットがポジティブである従業員は、エンゲージメントが高いことが期待されますが、必ずしも一致するわけではありません。

これらの違いを理解することで、エンゲージメントを正確に捉えられ、効果的な人事施策の実施が可能になります。

3企業でエンゲージメントが重要になる背景

近年、エンゲージメントが企業において重要視される理由は以下の通りです。

グローバル化の進展

国際競争が激化し、企業の成長やサバイバルのために、従業員が熱心に取り組むことが求められます。

労働人口の減少

少子高齢化や人材不足が深刻化する中で、企業は従業員のエンゲージメントを高めることで離職率を低く抑え、生産性を向上させる必要があります。

企業文化の重要性

優れた企業文化を持つ企業は、従業員が働きやすい環境を提供し、エンゲージメントを向上させることができます。これにより、優秀な人材の獲得や長期的な業績向上が期待できます。

4エンゲージメントを向上させる方法や具体的な取り組み

エンゲージメント向上のために、企業が取り組むべき方法や具体的な施策は以下の通りです。

コミュニケーションの強化

上層部と従業員間のコミュニケーションを円滑にし、従業員の意見やアイデアを積極的に取り入れることで、エンゲージメントが向上します。

企業のビジョンや目標の共有

従業員が企業のビジョンや目標を理解し、それに共感することでエンゲージメントが高まります。企業は従業員に対して定期的にビジョンや目標を伝えることが重要です。

成果主義の導入

従業員のパフォーマンスを評価し、報酬や昇進の機会を提供することで、エンゲージメントを向上させることができます。

職場環境の改善

従業員が働きやすい環境を整えることで、エンゲージメントが高まります。たとえば、フレックスタイム制度の導入やリモートワークの推進などが挙げられます。

研修やキャリア支援

従業員のスキル向上やキャリアの発展を支援することで、エンゲージメントを高められます。研修やリスキリングの機会を提供し、従業員が自己実現を図れる環境を整えましょう。

従業員の健康と福利厚生

従業員の健康や福利厚生に配慮した制度を整備することで、エンゲージメントが向上します。たとえば、健康診断の充実やストレス対策、各種保険制度の提供などが挙げられます。

チームビルディング活動

チームビルディング活動や社内イベントを通じて、従業員同士のコミュニケーションや協力を促進し、エンゲージメントを高めることができます。

フィードバックと評価の公正性

従業員の業務に対するフィードバックや評価の公正性を確保し、成長の機会を提供することでエンゲージメントが向上します。定期的な1対1の面談や360度評価などの導入が効果的です。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

多様な背景を持つ従業員が互いに理解し合い、協力して働ける環境を整えることで、エンゲージメントが高まります。企業はダイバーシティ&インクルージョンを重視し、その取り組みを従業員に伝えることが重要です。

リーダーシップの醸成

リーダーが従業員をサポートし、尊重し、自己成長を促すようなリーダーシップを発揮することで、エンゲージメントが向上します。リーダーシップ研修やメンタリング制度の導入が効果的です。

以上の取り組みを通じて、企業は従業員のエンゲージメントを向上させ、組織の成長と持続的な競争力を確保することができます。人材育成担当者は、これらの施策を組織に導入し、従業員のエンゲージメントを継続的に高めることを目指しましょう。


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